GoogleはAIチャットボット「Bard」をアップデートし、YouTube動画を理解できる能力の「最初の一歩」を踏み出したと発表しました。
11月21日に更新した米国向け試験運用版の最新情報では「YouTube拡張を拡大し、一部の動画を理解してBardとより豊かな会話ができるようになった」と説明しています。
ただし日本向けページには、記事執筆時点ではその記述はありません。
さらにいえばBardのエクステンション、すなわちGoogleのアプリやサービスと統合する機能は11月時点では英語のみ対応しているため、日本語では利用できません。またBardエクステンションを有効にするには、bard.google.com/extensionsにアクセスして設定を変更する必要がありますが、日本国内からは通常のBardページにリダイレクトされてしまいます。
Bardは今年9月から、エクステンションを通じてYouTube動画の分析が可能となっています。しかし「よりYouTube動画を深く理解したい」との声があり、それを受けてのアップデートとのこと。要は、今までは動画の理解が浅かったというわけです。
さて今回のアップデート後には、たとえば「オリーブオイルケーキの作り方の動画を探している場合、最初の動画のレシピに必要な卵の数を尋ねる」のも可能になったとのこと。スマホの修理ビデオでどんな工具を使っているか、旅行の動画でどこに行っているかを訊けるのかもしれません。
ほか、最近YouTubeは動画の視聴時に使える会話型AIツールのテストを実施中です。こちらも米国のみが対象となっています。
Googleはすでに日本国内でも、ウェブ検索について関連ページのリンクを並べるだけでなく、Bardがリンク先の内容をまとめて文章で直接提示するテストを実施しています。Bardによる回答は、展開すると参考元のウェブページとリンクが添えられる仕組みです。
AIが代わりに読んだり見たりして中身を教えてくれることは、ウェブページや動画クリエーター、パブリッシャーにとってはリーチを広げる手段にもなり得る一方、Googleのさじ加減一つで、視聴数や収益分配は減って中身の情報だけ差し出すことになる懸念もあります。