米クアルコムは、10月に発表したPC向けSoC「Snapdragon X Elite」のマルチコア性能が、アップルの最新チップ「M3」よりも21%高速だと主張しました。
同SoCの発表当時は、前チップのM2よりシングルコア性能でもマルチコア性能でも上回っているとアピール。その数日後、新型MacBook ProやiMacと共にデビューしたM3チップに、比較対象が移った格好です。
クアルコムの担当者はニュースメディアDigitalTrendsの取材に対して、Snapdragon X Eliteのマルチコア性能はM3よりも21%高速だと主張。掲載されたPCの画面には、Snapdragon X EliteがGeekbenchのマルチコアテストで15,300を出したのに対して、M3は12,154だった結果が表示されています。
Snapdragon X EliteはWindows向け、M3はmacOS向けであり、システムも動くアプリも異なり、厳密には同じ土俵での比較はできません。クアルコムはそれを認めつつ「我々が唯一コントロールできるハードウェアの文脈では、良いハードウェアなのです」と純粋なチップ性能を強調。
逆にいえば、ソフトウェア体験に関してはWindowsを手がけるマイクロソフトやアプリ開発企業、チップを採用するPCメーカー次第であり、そのパフォーマンスまでは保証しないと示唆しているようです。
ただし、今回クアルコムはM3との消費電力を比較していません。Snapdragon X Eliteは発表当時、M2と比べてピーク時の消費電力が30%少ないと主張していただけに、対M3比も気になるところです。
そんなSnapdragon X Eliteを搭載したPCは、Acer、Asus、Dell、HPやLenovo、マイクロソフトやサムスン等から2024年半ばに発売される予定。これらはAIに特化した「画期的な」次期Windowsに対応しているとの噂もあります。
かたやM3シリーズチップもNeural Engineを強化し、AIと機械学習のワークフローがさらに高速になると述べていました。
Snapdragon X Elite 搭載Windows PCは、そのソフトウェア体験やバッテリー持続時間、生成AIでのパフォーマンスなど、あらゆる面でM3搭載Macと競い合うことになりそうです。