Googleのスマートフォン「Pixel 8」シリーズにて、長らくユーザーから待ち望まれた「USB-Cによる有線接続での外付けディスプレイ映像出力」が、最新のAndroid 14ベータ版で実現しました。
実はPixel 8シリーズでは、もともとハードウェアレベルではDisplayPort Alternate Modeに対応し、USB-Cポートを介したケーブル接続により外付けディスプレイに出力できる仕様です。Googleが公式に認めたわけではありませんが、Android OSの分析で知られるMishaal Rahman氏が特殊な方法により実証済みです。
一般ユーザーが特殊な手法や機材を使わず、Pixel 8シリーズを外付けディスプレイに接続した場合は何も表示されません。これはAlternate ModeをAndroid OSがソフトウェア的に無効にしているためで、有効にするにはrootアクセス(通常、ユーザーがアクセスできないシステムファイル等への権限を取得すること)が必要でした。
しかし、先日リリースされたAndroid 14 QPR3 Beta 2では、Pixel 8ソフトウェアでDisplayPort Alternate Modeをデフォルトで有効となっていることを、Android OSに精通するAndroid Authorityが報告しています。
その結果、互換性のあるUSB-C to USB-CケーブルまたはUSB-C to HDMIアダプタなどを経由してPixel 8/Pixel 8 Proを外付けディスプレイに接続すると「外付け画面にミラーリングしますか?」のオプションが表示されるようになりました。
接続した外付けディスプレイには、スマートフォン本体の画面がそのままミラーリングされ、周囲の空白を埋めるように壁紙を表示されています。
もっとも、あくまでベータ版に過ぎないため、Googleが次のベータ版または安定版で元に戻し、再びAlternate Modeを無効にする可能性もあります。
GoogleはAndroid 13やAndroid 14ベータ版にて、外付けディスプレイ上に複数のウィンドウを自由に配置できる「デスクトップモード」のテストを続けています。要はサムスンのGalaxy S24シリーズ等で実現している「Samsung DeX」のGoogle版です。
Pixel 8シリーズの正式発表前に、Android AuthorityはAlternate Mode対応のリーク情報を伝えつつ、デスクトップモードの実現を予想。しかし、製品の発売時点では、どちらも実現しませんでした。
もしも安定版のAndroid 14でもAlternate Modeが標準で有効になれば、Pixel 8/Pixel 8 Proユーザーも外付けディスプレイに有線接続してデスクトップPC的に活用できるかもしれません。