AI作曲サービスの新星「Udio」が誰でも利用可能に。Sunoを超えたか、試してみた(CloseBox)

テクノロジー AI
松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

特集

Suno対抗のAI作曲サービスとして前評判の高かったUdioがパブリックベータとして一般公開されました。1カ月で1200曲まで作り放題という大盤振る舞い。udio.comからアクセスできます。Discord、Google、Xのアカウントでサインイン可能。

少し試すことができたので、ファーストインプレッションをお届けします。

▲udio.comにアクセスした初期画面

サインインすると、まずチュートリアルが表示されます。

プロンプトにアーティスト名は入れられますが、ジャンルタグは適切なものに置き換えられる仕組みです。

歌詞に入れられる[Verse]や[Chorus]などのタグはSunoやSonautoと共通です。

▲曲を公開するときの個別ページ

まずは作例を。

この曲の個別ページはこちら。前評判通り、音質はSunoを凌駕しており、ボーカルの生っぽさも出ています。バックの演奏の音質も良好です。

一回の生成でできるのは2曲というところもSunoと同じ。ただし、作れるのは33秒のクリップ。曲を延ばすのも可能で、イントロ、エンディングなどの指定もできます。1回の操作で33秒が追加されます。Sunoと同様に2パターンが生成されますが、タイトルはなぜか別の名前が勝手につけられます。

作曲にはプロンプトだけの簡易モードと、歌詞と音楽スタイルを入れられるカスタムモードがあるのはSunoやSonautoと同様。よく使うタグがあらかじめ用意されているのは使いやすそうです。インストゥルメンタルも指定できます。

▲作曲時の指定

▲曲をExtend(延ばす)機能もあり、そこはSunoが秒指定するのと異なり、セクションで指定する

Sonautoと違い、日本語の歌詞は通り、J-POPといった日本の音楽スタイルのサジェストにも対応しています。

プロンプトを流用して生成するときに、変化の度合いをスライダーで設定できるのは面白い機能です。

とりあえず4曲分の作例をまとめてみました。2~4曲目はオーディオしかダウンロードできなかったのでご容赦ください。4月11日0時時点ではアクセスも難しい状態です。

プロンプトにアーティスト名を入れていた場合には、こんなふうに置き換えられます。アーティストへ一定の配慮をしているということでしょうか。

長い曲を完成させてから気づいたのですが、Udioは長い歌詞をそのまま解釈するのには向いていません。33秒が限界なので、その時間に消化できる歌詞を与えないと、適当にピックアップしてしまいます。次の作例でも、Verse 1とChorusは丸ごと飛ばしてVerse 2から入り、次のChorusは飛ばしてVerse 3へ。さらに最後のChorusへ飛ぶという……。

あとでFAQを読むと、30秒しかないから6行くらいが適当です、と書かれていました。最初からそのくらいにしておくのがいいのでしょう。なお、[Guitar solo]とか[Drop]、[Hook]といった記述も追加でき、さらにバックコーラスの歌詞は ( ) で囲むと反映してくれるようです。

現時点で結論を出すのは尚早ですが、Sunoのライバルとしては十分なものに仕上がっており、それぞれの作曲や歌唱、演奏に特徴もあるので、ユーザーは使い分けができそう。

現在は1200曲、つまり600回の生成を1カ月でできるということですが、これはベータ期間中限定。ベータを脱したらどのくらいの価格がつけられるのかわかりませんが、筆者は必ずサブスクするつもりでいます。そのときまでには、現時点で10分くらいかか生成時間をなんとかしてほしいと希望しています。

生成時間が少し改善されたようなのでもう1曲作ってみました。いわゆるAORの英語曲です。

プロンプトはこちら。

yacht rock, rhodes piano, adult contemporary, blue-eyed soul, ballad,

デビッド・フォスターがプロデュースしたような作品を想定して作ったのですが、なんとなくできたような気がします。

これは、最初にVerse、いわゆるAメロのところから作って、後からイントロと、Bメロ、サビ、アウトロを付け足していったのですが、特に破綻なくできたのはすごいところです。ちなみにSunoは前の部分を追加することはできません。

もう一つ面白いのは、Sunoと同様に、Udioも歌詞を捏造するところです。動画ではそこを指摘しています。

ほぼ同じプロンプトと歌詞をSunoに与えてできたのがこちら。僕はどちらも気に入ってます。

制作過程を動画で解説しているので、そちらもぜひどうぞ。


《松尾公也》

松尾公也

テクノエッジ編集部 シニアエディター / コミュニティストラテジスト @mazzo

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