発表前のスマホが堂々と置いてある中国スマホショップの謎（スマホ沼）

スマートフォンシェア上位メーカーのほとんどが中国メーカーとなった現在、中国国内での販売競争も激しさを増しています。

2024年の冬もSnapdragon 8 EliteとDimensity 9400搭載モデルが早々と出ただけではなく、ミドルレンジ機も含め各社フライングで製品展示を行いました。

例えばこちら。2024年12月21日に中国・深センのOPPOストアに展示されていたモデルです。ミドルハイレンジの「A5 Pro」。スペックは……わかりません。なぜなら、まだこの時点で正式に発表されていない製品なのです。それなのに、堂々と実機が展示されています。

展示をよく見ると、価格が8899元＝約19万2000円となっています。これは、正式な価格ではありません。端末内部の製品案内のデモアプリに本来、定価が表示されるのすが、とりあえず仮の数字が表示していただけのようです。

OPPOはReno13シリーズの発売前にも、一部の家電量販店で実機の展示を行っていました。「Reno13」と「Reno13 Pro」の発表は11月25日。こちらの写真は11月22日に撮影したものです。

この時、OPPOストアにはReno13の広告は無く、家電量販店がフライングしているだけと思いました。しかし、A5 Proは量販店には無く、OPPOストアで先に展示されてました。タイミングはよくわかりませんが、発売前に店舗で実機をフライングで出すのが最近のOPPOの販売戦略なのかもしれません。

HONORはモックの展示を先行して行っています。同じ12月21日の深センの家電量販店には、ポルシェデザインのカッコいいモデル、「Magic7 RSR Porsche Design」のモックがありました。

ポルシェデザインは過去モデルも人気があり、お店でモックを触っていると他のお客さんがやってきては「いつ出るの？」「予約したい」とスタッフに声をかけていました。やはりモックでも先に展示しておくと集客や事前予約を促す効果があるのでしょう。正式な製品発表は翌週とのことでした。

このようにHONORはOPPOの実機展示に対し、モックで早期展示を行っています。そういえば11月末の深センでも12月発売の「HONOR 300」のモックが展示されていましたね。

HONORの数字モデルはあまり注目されていませんが、最上位となる「HONOR 300 Ultra」はSnapdragon 8 Gen 3に加え、シリーズ初のペリスコープ望遠カメラを搭載。なかなか魅力的な製品です。

ただし、この時はシリーズ名のHONOR 300は表示があったものの、Ulra、Proの上位モデルの製品名は展示無し。発表前にどこまで製品情報を公開するのか、悩ましいところなのでしょう。

以前からiPhoneやGalaxy、ファーウェイなど大手メーカーのスマートフォンのリーク情報として、深センのスマホケース問屋に行くと、新製品発売の1ヵ月くらい前から各モデルのケースが出回っており、そこから実機を予想することもできました。

例えば「iPhone 16 Pro」シリーズのカメラコントロールも、8月の時点でケース問屋にその部分の穴があいた製品がたくさん出回っていました。

このようなケースメーカーのフライングはまだしも、メーカー自ら発表前の実機やモックを店頭に並べるのは、これまでの常識からすると異例です。特にOPPOのように実機を堂々と展示していると、発表会での興奮がやや興ざめしてしまう気がします。

店頭での来客の反応を見る限り、新製品をいち早く欲しいと思う消費者も結構多く、他社に客を奪われてしまうくらいならリークだろうが製品を並べ、関心を奪わなくてはならないほど販売競争が激しくなっているのです。

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