中国メーカーの躍進とAI技術の最前線。ハカセ×石野が語るMWC25報告会イベントレポート(スマホ沼)

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山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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テクノエッジ アルファで展開している「ハカセとアックンのスマホ沼」では月1回ライブ配信をしていますが、第7回はリアルイベント「MWC2025報告会」を東京・六本木で開催。

3月にバルセロナで開催された世界最大のモバイル・スマートフォン業界見本市「MWC 2025」を現地で取材された山根ハカセと石野純也さんをお招きし、取材の裏話や現地で感じたことを語りました。

毎年恒例(?)のトラブル

まずは石野さん。MWCの取材では、日本からの取材陣は毎年、何かしらのトラブルに見舞われるとのことですが、今年は石野さんがノートPCをミラノの空港ラウンジに置き忘れるというトラブルが発生。飛行機に搭乗後に気が付いたとのことで、すぐそばのラウンジだったので取りに行かせてほしいとCAに頼んだところ、「チケットを放棄して飛行機を降りる」or「バルセロナでパソコンが届くのを待つ」の2択を迫られたそう。

待っていてもパソコンは届かないだろうということで、石野さんはチケット放棄を選択。結局、その日の内に3万円ほどで別のチケットを購入でき、4~5時間程度の遅れでバルセロナに着けたとのこと。ちなみに山根ハカセはこうしたトラブルを防止する意味で、搭乗ゲート前のSNSへのポストをパソコンから行っているそうです。

バルセロナに到着後も日本の取材チームが体調不良でバタバタと倒れ、某編集部の部屋はバイオハザードのようだったとか。今年のバルセロナは寒暖差が激しく、例年以上に体調を崩す人が多かったようですね。

存在感を増す中国メーカー

今年はXiaomiをはじめとする中国メーカーが目立ったと言います。会場入り口にはHUAWEIと並んでXiaomiの広告が掲げられていました。山根ハカセは欧州が米国に見切りをつけて中国寄りになった証と推測されていましたが、政治的なメッセージがあるかはともかく、石野さんもXiaomiがメーカーとしては一番目立っていたと話しています。

Xiaomiは日本でも発売したXiaomi 15 Ultraのほか、コンセプトモデルとしてカメラをマグネットで外付けできるスマートフォンを展示。実際に触ることもでき、磁力も強力でしっかりとくっついたそうです。スマートフォン本体の薄型化がトレンドになりつつあるので、カメラを内蔵するより外付けにしてはというアイデアです。

本体の薄型化という点では、中国のTranssionが展開するTECNO(テクノ)が、薄さ5.75mmのスマートフォン「TECNO SAPRAK Slim」を公開しました。薄型スマートフォンとしてはSamsungがGalaxy S25 Edgeを1月に公開していましたが、ガラスケースの中に入った状態で依然、詳細は不明。手に取ることもできなかったそうですが、TECNO SAPRAK Slimは実機に触れることもできたとのこと。TECNOはほかに3つ折りスマートフォンも展示していました。

Transsionはアフリカなどではシェアトップ、世界シェアでも4~5位に名前が出るようになっています。先進国では若年層が減少傾向にありますが、インドやアフリカ、東南アジアなどでは綺麗な人口ピラミッドになっており、若年層が多くなっています。こうした世代がTECNOなどの先進的なスマートフォンを見て育つわけで、山根ハカセはそうした世代はiPhoneにブランド的な魅力や憧れは抱かないのではないかと指摘していました。

中国メーカーではほかにもZTE傘下のNubiaがレンズリングを回転させられるスマートフォンを展示しており、今後のカメラフォンとして期待できるというお話もありました。

各社AIに注力

ハードウェア以外では、各社がAIに注力していた点に注目。例えばAIにタクシーの手配を頼むと、行き先などを確認してアプリを立ち上げ、配車手配の直前まで行ってくれるようなデモも行われていました。1社だけではなくZTEやモトローラー、HONORなどが同様のデモを行っていたそう。ちなみにLLMとしてはDeepSeekが使われています。

AIからの操作には、現状ではアプリ側の対応も必要になるようで、今後、AI対応しているかどうかでアプリの淘汰が進むかもしれないと感じたそうです。

Apple C1は大丈夫?

このほかクアルコムのブースでは、発売されたばかりのiPhone 16eに採用されたApple C1モデムを解析し、自社モデムとの機能比較を行っていたとのこと。それによると、Apple C1は「Carrier Aggregation」や「Uplink MIMO」「DSDA」などに非対応。とくに中国ではDSDA需要が強く、DSDA非対応のiPhone 16eは厳しいだろうとの話もありました。

トークセッションではほかにも変わり種のスマートフォンやEV、キッズ向けスマートウォッチ、5Gについてなど興味深い話が展開されました。YouTubeにアーカイブがありますので、ぜひご覧ください。

スポンサー紹介

今回のイベントはとスマホ・タブレットメーカーのBlackview、アラミド繊維ケースでおなじみDeffがスポンサーに、ドリンクスポンサーとしてハイネケンにご協力いただきました。

▲会場ではハイネケンのノンアルコールビールも。私も頂きましたが、程よい苦みでおいしかったです

また、会場には、MWCでも展示されていたBlackviewの「MEGA 2」と「Tab 60 Pro」も用意。実際に手に触れて試すことができました。

▲Blackviewの「Tab 60 Pro」と「MEGA 2」

MEGA 2はSoCにAllwinner A733を搭載。性能的にやや不安はあるものの、RAMを12GBと十分に積んでいることもあり、PUBGは問題なく遊ぶことができました。本格的にやりこむ人には物足りなさがあるとは思いますが、カジュアルゲーマーには十分ではないかと思います。

▲PUBGは問題なくプレイできました

DeffはiPhoneやPixel、Galaxy S25 Ultraのアラミド繊維ケースなどを展示・販売。iPhone 16e向けの新ケースも用意しています。

こちらは新製品のMagput。両面が磁石になっており、冷蔵庫やバスルーム等に貼り付け、そこにスマートフォンを取り付けられるというもの。設置側の磁力は強力で、MagSafe側はやや弱め。これにより、スマートフォンを取り外すときに、一緒に付いてきてしまうのを防ぎます。

《山本竜也》

※テクノエッジが運営する有料会員コミュニティ、テクノエッジ アルファに加入すると参加できるDiscord内、「スマホ沼」チャンネルにおいて、記事に関する追加情報や山根ハカセとの交流、スペシャル映像をお楽しみいただけます。ほか、生成AIや自作PCに関するコンテンツ、リアルイベントの優先招待などの特典がございます。ぜひ、ご検討ください。

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