みなさんこんにちは、香港在住の携帯電話研究家、山根康宏です。モトローラがニューヨークで4月24日(現地時間)、折りたたみスマートフォン「razr」シリーズの新モデル「razr 60」「razr 60 Ultra」を発表しました。現地の発表会に参加したので、早速実機をチェックしていきたいと思います。

razrといえば、縦折り式のフリップ型スマートフォン。前モデル、razr 50シリーズでの無印モデルとUltraモデルの差は、アウトディスプレイとカメラ性能程度でしたが、razr 60とrazr 60 Ultraは、さらにハードウェア性能に差が付けられています。

両者を比較しながら、それぞれ見ていきましょう。以降の写真は左がrazr 60 Ultra(ピンク)、右がrazr 60(ブルー)です。フロントカメラ画質はrazr 60 Ultraが5000万画素に向上しました。razr 60は3200万画素と前モデルと同等です。

チップセットはrazr 60 UltraがSnapdragon 8 Elite、razr 60がDimensity 7400X。背面から見ると、アウトディスプレイの差もよくわかります。razr 60 Ultraは4インチ、razr 60は3.6インチ。これは前モデルと同じです。

本体右側面のボタン配置は両者同等。ちなみにIP48の防水防塵対応です。バッテリーはrazr 60が4500mAh / 30W。

左側面は異なります。razr 60 UltraはSIMカードスロットが無くなり、AIボタンを配置。razr 60は前モデル同様にSIMカードスロットがあります。

この仕様変更により、razr 60 Ultraは底面にSIMカードスロットが配置されました。そのため底面の形状も異なっています。

カメラの画素数はどちらも前モデルと同じですが、razr 60 Ultraは5000万画素広角+5000万画素超広角となり、前モデルの「広角+2倍望遠」から仕様が変わりました。アウトディスプレイを使った自撮り時には望遠より超広角が便利ですから、ユーザーの意見を取り入れ変更したのでしょう。razr 60のほうは5000万画素広角+1300万画素超広角です。

アウトディスプレイの大きさの差。これは前モデルと同じですね。なおディスプレイはCorning Gorilla Glass Ceramicでカバー。これは折りたたみモデルのアウトディスプレイで世界初とのこと。

本体のカラバリはrazr 60 Ultraが「PANTONE Scarab」を含む全4色。razr 60が「PANTONE Spring Bug」「PANTONE Lighest Sky」「PANTONE Gibraltar Sea」と、パントーンとカラーのコラボを行っています。個人的にはrazr 60 UltraのPANTONE Scarab、深緑色のアルカンターラがお気に入り。布地系の素材で高級感にあふれています。

さてrazr 60 UltraのAIボタンですが、本体を閉じたときにちょうど押しやすい位置に配置されています。専用ボタンがあるのでAIをいつでも即座に呼び出せるのは便利そうですね。

razr 60シリーズにはモトローラのAI「moto ai」に加え、Perplexityとの連携機能がプリインストール。それだけではなく、マイクロソフトの「Copilot」、さらにグーグルの「Gemini」と、複数のAIを使い分けることができます。

moto aiでは生成AIによるイメージ作成や気分に合わせた音楽のプレイリスト作成、また、録音中の会話の要約や文字おこし、コンテンツの保存や検索などを活用できます。Perplexityとの連携は、非常にスムーズに行われている印象です。

razr 60シリーズ以外の新製品も出てきたので簡単に紹介します。まずはedge 60シリーズ。「edge 60」「edge 60 Pro」「edge 60 Fusion」の3モデルが出ます。

ワイヤレスイヤホンはクリップスタイルの「moto buds LOOP」が登場。音響面でBOSEと提携。標準のグリーンカラーモデルに加え、スワロフスキークリスタルを埋め込んだモデルも登場します。

「moto watch Fit」は活動量機能を搭載したスマートウォッチで、最大16日間の連続使用が可能です。

これらの製品の日本発売は現時点では未定。とはいえモトローラはこれまでもrazrシリーズなどグローバルモデルを日本に投入してきました。どの色が日本で発売になるか、今から楽しみです。
