TECNOのULTRA LINKはUWBやBluetoothに変わる次世代のワイヤレス技術(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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デバイスとデバイスをつなぐ技術としてWi-FiやBluetoothはもちろんのこと、最近はUWB(Ultra Wide Band)の利用も進んでいます。しかし、スマートフォンとつなぐデバイス種類が増えるに従い、より最適な通信速度やプロトコルに対応したワイヤレス技術も求められます。TECNOが開発中の「ULTRA LINK」もその1つ。

ULTRA LINKはスマートフォン、タブレット、ノートPCだけではなく、スマートウォッチやAIグラスなどを接続するために開発されました。シームレスな連携かつ低遅延で接続できるのが特徴で、安定した高速通信が実現できます。

プロトコルや周波数など技術面の公開はまだ行われておらず、2025年2月にバルセロナで開催されたMWC 2025の同社のブースでは簡単なデモが行われただけでした。現在はまだ端末に内蔵できるほど小型化や省電力化はできておらず、スマートフォンのUSB端子に装着するドングルにULTRA LINKの基盤が内蔵されていました。

Bluetoothは約10メートル程度、Wi-Fiは数10メートルの距離がレンジになりますが、ULTRA LINKではより長い距離での接続が可能です。家庭内の異なるフロアなど、距離があっても接続できることを目指しています。

MWCのブースでは通話機能のデモとして、トランシーバーとの通信が行われました。しかし、ULTRA LINKはそれだけではなく写真や動画の転送も視野に入れています。

TECNOはスカウター型のAIグラスをMWCで発表しており、モノカラーのテキスト情報としてメガネの内側に通知などを表示できます。現在はスマートフォンとUSBケーブルでの接続が必要ですが、文字情報程度ならワイヤレスでの接続も技術的にはすでに可能でしょう。

それだけではなく、音声アシスタント機能をほかのデバイスで引き継いだり、コンテンツのシームレスなデバイス間切り替えなどにも活用される見込みです。

端末間の連携が自在になれば、AIが自動判断して「タブレットのペンでメモを取りつつ、ワイヤレスイヤホンで会議録音、AIグラスに翻訳を表示」といったことが意識せず行えるようになります。ULTRA LINKはただのワイヤレス技術ではなく、TECNOが考える「すべてがつながるその先の世界」を実現するための技術なのです。

《山根康宏》

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