Razer初、薄型光学キーボードDeathStalker V2発表。BT接続3系統など全部入りが魅力

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橋本新義

橋本新義

IT系とゲーム系のフリーライター(タイプ:出オチ)

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PCとキーボードやディスプレイなどの周辺機器、スマートフォン、シューティングゲームなどを好むおじさん。隙あれば出オチやネタ、製品にまつわる余談やいい話を組み込もうとして記事が長くなる程度の能力を持つ。アイコンは漫画家『餅月あんこ』先生の筆による似顔絵です。

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各種ゲーミングデバイスで知られるRazer(レイザー)が、初となる独自設計のロープロファイル光学キースイッチを搭載したキーボード、Razer DeathStalker V2シリーズを発売しました。

製品構成は3グレード、そのうち2グレードはキースイッチ2種で、合計5モデル(詳細は後述)。日本ではそれぞれにJPとUS配列が選べます(これも加えると10モデル展開)。
価格は2万3880円(税込)から3万880円(同)と、同社製キーボードの中でもかなり高級機として位置づけられます。

▲基本グレードはテンキーのありなし、無線兼用か有線のみかで3種に分かれます

なお注目したいのが、内外価格差。米国価格は199.99ドルから249.99ドルと、なんと昨今としては非常に珍しい、ドル円レートより安価な設定となっています。

特徴は、上述した新型スイッチ、ひいては同社初のロープロファイル(低背/薄型)のメカニカルキー採用という点に加えて、ワイヤレス兼用モデルでは3台までのBluetoothマルチペアリングに対応し(ゲーミングモデルではほとんどありません)、加えて独自無線、USBも使えるなど、現時点での“全部入り”仕様となっている点。

▲レイザー側も『新しいフラッグシップキーボード』と位置づけます

ゲーミングキーボードに詳しい読者にとっては「ロープロメカキーで大人気となったロジクール『G913』(海外ではLogitech G915)を徹底的に研究し、これを超える仕様を盛り込んだモデル」と紹介すると、通りが良さそうな製品です。


▲キースイッチの特徴。アクチュエーションポイントまでの短さを含めた高速性が売り

DeathStalker(デスストーカー) V2で技術的な焦点となる新型キースイッチは、赤外線によってキーの押下を検出する光学式。物理的なスイッチの宿命とも呼べる、繰り返し入力時の(物理的なスイッチの戻りなどに起因する)遅延が発生しない点や、キーストローク寿命が7000万回と長い点をアピールします。

キーストローク(総移動量)2.8mm、入力が検知される「アクチュエーションポイント」は1.2~1.5mmと、ロープロタイプならではの短いストロークが特徴。ゲームプレイで重要な高速入力という面でも優位を謳います。

さらにキーボード本体も薄く設計できるため、机との段差も一般的な製品に比べて少なくなり、人間工学的にも有利とアピールします(これはもちろん、本機以外のロープロタイプにも共通の特徴ですが)。

▲軸色はリニアタイプが赤(写真上)、クリッキータイプが紫です

キースイッチは2種類。リニアタイプ(赤色)バージョンは、比較的軽めに入力が可能な仕様。
押下圧45g、アクチュエーションポイントは1.2mm。リニアタイプは昨今のスタンダード的なポジションですが、本機でもそうした扱いとなる模様です。

もう1種は紫色のクリッキータイプ。こちらはアクチュエーションポイントでクリック音が鳴り、指への感触も合わさって入力がわかりやすいタイプです。
ただし、押下圧は50gと若干重め。アクチュエーションポイントもリニアより少し深く、1.5mmとなっています。


テンキー付きワイヤレス、DeathStalker V2 Pro

3モデルのうち最上位となるのが、無線・有線兼用で、テンキー付きの『DeathStalker V2 Pro』です。
価格は3万880円(税込)で、JP配列とUS配列ともに同価格。リニアスイッチ版は発売中。クリッキースイッチは第4四半期に追加予定です。

無線接続の方式は、Razer独自の2.4 GHz低遅延無線『HyperSpeed Wireless』と、Bluetooth 5.0。有線接続でも使用でき、本体側のUSB端子はType-C仕様です。

▲奥側には接続切り替えのスライドスイッチと、Bluetooth接続切り替えボタン3個を搭載。素早い切り替えが可能です

また、実際の使い勝手にも配慮されており、HyperSpeed WirelessのUSBアダプタはキーボード底面の専用ポケットに収納できます。また、Bluetoothは3台へのマルチペアリングが可能ですが、この切り替えは専用ボタンを奥側に用意。しかも3台にそれぞれ独立ボタンが用意されているため、着実な切り替えができます。

▲高級モデルだけあり、メディアボタンとローラーもアルミニウム合金製

右上部には動画や音楽の制御が可能なメディアボタンと、音量制御用のメディアローラーを搭載。キーカスタマイズには同社のユーティリティ『Razer Synapse』 が使えます。もちろん、キーの機能割り当てやオンボード(キーボード側に記録する)マクロなども対応。オンザフライ(キーボード側のみで記録する)マクロも設定可能です。

加えてマクロやキー割り当ては、Synapseの特徴である内蔵メモリとクラウドの『ハイブリッドストレージ』記録に対応。最大5種のプロファイルに対応します。もちろん、バックライトは『Razer Chroma』仕様のRGBフルカラー。いわゆる“ゲーミング発光”を定着させた立て役者のRazerだけあり、このあたりには抜かりはありません。

バッテリー駆動時間は公称で40時間(バックライト65%、独自無線接続時)。最高輝度でも26.1時間の駆動が可能です。

テンキーレス版はリニアスイッチのみを用意

最も人気が出そうなのが、無線・有線兼用のテンキーなしタイプ『DeathStalker V2 Pro Tenkeyless』。ただしこのモデルのみ、キースイッチはリニアタイプに限定されています。
価格は2万9880円(税込)で、やはりJP配列とUS配列ともに同価格。発売は少し先で、8月予定です。

▲メディアボタンとローラーもしっかりと継承。Print ScreenキーなどはFn併用となります

テンキーレスタイプ、かつナローベゼル設計ながら、メディアボタンとメディアローラーはしっかりと継承されており、F12キーの右側に配置。その代わり、Print Screenキーなどは一段下のキーとFnキーの同時押しとなっています。

なお、ライバルとなるロジクール『G913 TKL』が“ローラーのために奥行きを増した”設計となっているのですが、このあたりの比較はちょっと面白いところです。

▲ライティングあり状態では、キー数の少なさが駆動時間の差に。高輝度で使う場合は意外と無視できない?

またテンキーあり版との差が大きな点は、ライティングLEDの少なさに起因するバッテリー駆動時間の長さ。公称で50時間と、テンキーありに比べて+10時間伸びています。

7000円安でお買い得な有線専用モデルも

▲有線専用ながら、ケーブルが脱着可能な構造な点も嬉しいところ

そしてベーシックな有線専用のテンキー付きモデルとなるのが、『DeathStalker V2』。価格は2万3880円(税込)で、JP配列とUS配列ともに同価格。リニアスイッチ版は発売中で、クリッキースイッチは第四四半期に追加予定です。

有線専用モデルですが、USBケーブルは脱着可能な構造。本体側の端子もしっかりType-Cのため、使い勝手に優れた設計です。

その他の仕様はProと共通。有線のみでOKというユーザーには、そこだけで7000円の安価となる点は見逃せないポイントでしょう。



なお、モデル名に『V2』とありますが、これはVer.2の意。つまり初代がありました。この初代は2012年発表のモデルで、メカニカルではないものの、ノートPC的なロープロタイプでした。また、小型のタッチパネル液晶を搭載した『DeathStalker Ultimate』という、ユニークなモデルも販売されています。

言い換えれば、今回のV2は、「10年振りのシリーズ復活」ともなるモデル。さらにキースイッチの時点から新開発という点などを考えても、Razer側としても並々ならぬ気概を込めた製品と呼べそうです。

この2年ほどのゲーミングキーボードでは、入力速度の優位性やノートPCなどと合わせて使った際の違和感の少なさなどから、ロープロタイプの人気が増していますが、本機は最大手であるRazerがついに参入したことで、話題となると同時にロープロタイプの普及を推し進めそうなモデル。

そうした点から「PCゲーマーやキーボード好きには、購入するか否かを抜きにしても見逃せない」存在となることには間違いありません。

●Source:DeathStalker V2特集ページ(日本語)

《橋本新義》
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