「Made by Google」イベントを見ながら、GoogleのAndroidタブレットに関する記事を書いていたのですが、発表会のある部分で思わずGoogle Storeに行き、購入予約をしてしまいました。Pixel 7です。
「Google Pixel 7」正式発表。Tensor G2搭載、自撮りカメラ強化
筆者のメイン端末はずっとiPhoneなので、Androidの最新世代を購入することは少ないのですが、今回は、iPhone 14 Proを買ったばかりというのに即決でした。
そのただ一つの理由は写真です。ただし、撮影は関係ありません。
Pixel 6には「Face Unblur」という、新規で撮影した写真で顔のブレを軽減する機能がありました。メインのレンズと超広角レンズによる撮影データから、顔にピントが合って写っているように加工する、コンピュテーショナルフォトグラフィの一種です。Pixel 7ではこれをさらに進め、顔だけでなく写真全体に適用することが可能になりました。それが「Photo Unblur」。
詳しい記事はこちらをどうぞ。
Google Pixel 7 Pro発売、12万4300円から。Tensor G2搭載の「最も先進的なスマートフォン」
これだけでは心が全く動かされなかったのですが、Photo Unblurでは、機械学習によって既存の写真全てに使えると、GoogleでLady Product Managerを務めるシナーズ・ザックさんから説明がありました。つまり、過去に遡って、ピンボケしている写真を高精細にできるわけです。この機能にはTensor G2が必要。つまり、現時点ではPixel 7とPixel 7 Proのみが使えることになります。Tensor G2はPixel Tabletにも搭載されますが、登場は2023年です。つまり、Pixel 7を買わないと使えない、ということになります。
▲右側がBefore、左側がAfter
顔を認識し、AI技術によって高精細にするだけならば、ReminiというiOSアプリでいい結果が出ています。
Reminiは、生後すぐから50歳まで、妻が被写体となった数百枚の写真(これ以上は増えない)を最大限に活かすことができる、自分にとっては素晴らしい写真アプリです。その経緯は、記事にも書いています。
▲妻の写真をReminiで高精細化した例
ReminiはiPhoneで動作するアプリですが、処理はサーバ側で行います。読み込んで数秒から数十秒、処理を待つことになります。
Reminiへのサブスク(1カ月550円)は今も続けていて、まだいろいろ試しています。ただ、黒目の比率が大きすぎる場合があったり、顔は整っているけれども本人性が微妙に薄くなっているなどの不満な部分もあり、別のもっといい処理系がないかと探していたところでした。
機械学習を用いた画像処理ではGoogleに期待できそうだと考え、Tensor G2によるコンピュテーショナルフォトグラフィを試してみたかった、というのがあります。
自分のGoogleフォトは、iPhoneの写真ライブラリがミラーされる設定にしており、過去の妻の写真は全てここにあるので、Pixel 7があればすぐに試せるというのもありがたいです。
不要部分を消去するMagic Eraser(消しゴムマジック)機能も、妻の写真をより良いものにするのに役立ちそう。Photoshop Elements 2023を買ったばかりですが、AI機能の利用という意味だとAdobe SenseiよりGoogle AIの方が進んでいる可能性があり、こちらにも期待しています。
サブスク不要のPhotoshop ElementsがM1 / M2ネイティブ化。「閉じた目を開く」が可能に
しかし、PixelにしろiPhoneにしろ、スマートフォンが単に撮影時の高画質化だけでなく、ポストプロセスの部分まで進出しています。
iOS 16では人物や物体の切り抜きが可能になりましたし、Pixelでは「消しゴムマジック」による不用物の消去ができます。写真アプリでレイヤーをサポートしてPhotoshopが不要になる時代もそう遠くないかもしれません。
自分のPixel 7が届くのは10月13日から14日。試せる日が来たら、このコラムで実例を紹介したいと思います。
追記:10月13日に届いたので、検証記事を書きました。