遅ればせながら、グーグルのフラッグシップモデル「Pixel 7」を購入しました。auのeSIMをSIMカードに変えたかったのと、Pixel 7自体が端末の単体割引によって、実質2万2001円まで下がっていたというのがその理由。あくまで“実質”のため、2年後に端末を返却した場合の金額ですが、22年10月に発売されたばかりのハイエンドモデルとしては、かなり割安感があります。
auのSIMカードが必要だったのは、KDDIが回線契約者に対し、2月にau PAYの回線認証を必須化するからです。不正利用が相次ぎ、セキュリティを強化するためですが、そのトレードオフとして、マルチデバイス環境での利用がやや不便になってしまいました。ただし、いったん認証さえすれば、意図的にログアウトしない限り、SIMカードを抜いても使い続けることはできるようです。
一方で、筆者のau回線は割と早い段階でeSIM化してしまっていました。回線認証が厄介なのは、このようなケース。手持ちの端末すべてでau PAYの回線認証をしようとすると、その端末数だけ、eSIMの再発行を繰り返す必要があるからです。楽天モバイルのように、比較的簡単に再発行ができればいいのですが、auのeSIMには何かと制限も多く、手順も煩雑。抜き差しだけでOKなSIMカードに比べると、手間も時間もかかります。
だったらSIMカードに戻してしまえ、と思ったものの、eSIMからSIMカードへの変更はショップでしかできず、事務手数料が2200円かかります。eSIM化する際は無料なので、ちょっとしたトラップと言えるでしょう。このためにわざわざお金を払うのもなぁ……と思っていた矢先に目に飛び込んできたのがPixel 7の割引でした。
店頭で機種変更手続きをしたついでに、SIMカードを発行してもらえば一石二鳥。機種変更にも3300円の手数料がかかりますが、SIMカードを発行するだけで2200円かかるよりもマシと考え、購入に至りました。
実質2万2001円のカラクリは、次のとおりです。まず、auオフィシャルな仕組みとして、残価設定型割賦払いの「スマホトクするプログラム」があります。端末を下取りに出すことで、24回目に設定されている残価がチャラになるのが特徴。Pixel 7の場合、24回目が4万2000円に設定されています。
au版の本体価格は8万7310円のため、ここから4万2000円を引くと実質4万5310円になります。これに加え、家電量販店の独自割引が2万3309円ついていたことで、実質価格は2万2001円まで下がりました。ちなみに、筆者は指定の料金プランに入らなかったのでこの金額ですが、「使い放題MAX」や補償サービスに加入すると、機種変更でもさらに5500円の割引を受けられました。また、MNPの場合、割引が増額され、実質価格は1円まで下がります。
発売してから3カ月ちょっとで、かつ評判もいいハイエンドモデルに2万3309円の割引がついているのはかなりお得。auのSIMカードがどうしても必要だったこともあり、購入することにしました。契約中にスタッフの方とお話ししましたが、Pixelの割引販売はかなり引きが強いとのこと。特にPixel 6aに大幅な値引きがついたときには、すぐに店頭からなくなってしまうようです。
TechnoEdgeの読者諸兄姉には同じ端末を2年も使わない人も多そうですが、スマホトクするプログラムは必ずしも2年完走する必要はありません。特典適用条件は、12カ月以上の利用になっているため、来年、Pixel 8に変えてしまってもいいというわけです。この場合でも、4万2000円の残価は免除され、残り約1年間、956円を毎月払うだけでOKになります。
見方を変えると、1年目以降の下取り価格があらかじめ決まっているということにもなります。通常の中古屋の場合、下取り額は査定に出してみて初めて分かりますが、残価設定型プログラムであれば、購入時にそれを織り込んでおけるというわけです。ちなみに、21年に発売されたPixel 6は、中古品の場合、4万円強の買い取り価格がついているため、残価の4万2000円は比較的好条件と考えられます。
今回は、量販店独自割引が2万円強ついてかなり買いやすくなった側面もありますが、こうした割引に規制がかかる可能性も出てきました。前々回の筆者の記事で紹介したとおり、割引合戦が過熱した結果、キャリアからは規制を求める声もあがっています。
価格統制にもつながりかねないため、どこまであの意見が反映されるかは未知数ですが、安く買えるうちに買っておいた方がいいというのが筆者の考え。Pixelは割引がつくことも多く、その意味でもオススメの1台です。