ユニクロがIBMのTシャツを発売しました。同社は企業ロゴやキャラクターの入ったTシャツを販売しているので不思議ではないのですが、今回はそこにIBMの表記はありません。「ユニクロがIBMのTシャツ売ってるよ」という話を聞いて、ユニクロのサイトで探してみたのですが、検索にも引っかかりません。
新作Tシャツを一つ一つ見ていくと、ありました。「レジェンズ・オブ・グラフィックス UT グラフィックTシャツ ポール・ランド(半袖・レギュラーフィット)」という商品。1500円です。
IBMをよく知る人なら目にしたことがあるはずの絵文字。「目 + 蜂 + M」を👁️🐝Mのように並べた、ジョーク的なロゴデザインですが、IBMがロゴの規定を厳密に定めている公式なものです。正式名称は「Rebus」。
このロゴは伝説的デザイナー、ポール・ランドが1981年にデザインしたもの。IBMのモットーである「THINK」を訴求するポスターのために作られました。Rebusの3文字目のMはオリジナルロゴと同じデザインになっています。ポール・ランドは1972年から現在まで使われている、8本の横線が特徴的な「IBM 8-bar」を制作した人でもあります。
▲IBMデザイン言語に関する資料ページより
「’60~’70年代のデザイントレンドが、グラフィックTシャツになって登場」と説明されているシリーズ(IBM Rebusを含めて4点)には、これまた伝説的デザイナーであるハーブ・ルバーリンによる作品もあります。
▲ユニクロのレジェンズ・オブ・グラフィックス UTグラフィックTシャツ
アーティストページにはIBMロゴ制作への言及がされていますが、当該TシャツがIBMのロゴであるとの説明はありません。
ポール・ランドがデザインした有名なコンピュータ会社のロゴにはもう一つあります。NeXTです。スティーブ・ジョブズは企業ロゴを作ろうと考えたときにポール・ランド以外は考えられないと、彼だけにアプローチしたとインタビューで語っています。いつかNeXTのTシャツがユニクロで売られると期待したいところですが、たぶんAppleはそれを許さないと思います。