マイクロソフトが Bing AIチャットの制限を早くも緩和しました。
長い問答でAIの言動がおかしくなる問題に対して、2月18日には連続したセッションは5ターンまで、一日に最大50ターンまでの制限を導入していました(問と答の組で1ターン換算)。
4日後の本日よりやや緩和して、文脈を保ったままの会話は連続6ターンまで、一日最大60ターンまでAIとチャットできるようになります。また、チャット形式ではないBing検索のAI回答については、一日の最大ターン数に含まれないよう変更しました。
マイクロソフトが「新しいBing」検索とEdgeブラウザに会話型AIを組み込み限定的に提供したのは2月上旬。
人間のような文章を生成するAIとして話題になったChatGPTを改良した次世代モデルと、検索に特化した独自の手法を組み合わせることで、従来の検索では得られなかった複雑な質問への答えや、あるテーマについて単純な事実を超えた概要や観点まで提示できることが特長です。
しかしチャット機能を試したユーザーからは、AIによる回答に誤りがあることはともかく、言動が不審になったり、時にはユーザーを非難したり感情的になったかのような振る舞いをする報告がありました。
マイクロソフトはこれに対して、やりとりが15回以上など長く連続すると文脈の維持が難しくなり混乱してしまう場合があること、ユーザーの入力に影響を受けすぎ、合わせようとしすぎてしまう性質を課題として認め、「連続した問答は5回まで・一日50回まで」にバッサリと制限していました。
マイクロソフトによれば、制限を導入する以前から、大多数のユーザーの利用は5回以下のやりとりに収まっていたとのこと。
しかしこれまでになかった新しい技術であり、限界を試したり新しい使いかたを発見するためには大きな制約だっただけに、20%とはいえわずかな期間での緩和は良いニュースです。
The new Bing and Edge - Increasing Limits on Chat Sessions | Bing Search Blog
マイクロソフトは近日中に一日最大100回まで緩和するほか、回答の正確性と創造性(独創性)を用途に応じてユーザーが指定できるトーン選択の機能も追加することを検討しています。
トーン選択では、正確性を優先した場合には回答が比較的短く、検索した結果の範囲に留まることが多くなります。一方でCreativityを優先した場合、単純な事実だけよりももう少し範囲を広げたまとめや観点、解釈、付随情報なども会話体で提供することが増えますが、誤りが含まれる可能性も増えることになります。