MWC発表の新スマホ総まとめ、水冷や低価格フォルダブルなど13機種。裸眼3Dタブレットも(山根康宏)

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山根康宏

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香港在住携帯研究家

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スマホとSIMを求めて世界を取材中。メディアへ執筆多数。海外・中国通信関連の記事や講演承ります。noteや動画配信もやってます。

特集

2023年2月27日から3月2日までスペイン、バルセロナで開催されたMWC Barcelona 2023では、数多くのスマートフォン新製品がグローバル市場向けに発表された。

新興国向けにも折りたたみスマートフォンが発表されたり、本体の発熱を循環ポンプを使い水冷するスマートフォンが登場したりと特徴的な製品も数多く見受けられた。ここでは主な新製品を紹介しよう。

【Xiaomi 13 Pro】1インチセンサー搭載のライカカメラスマホ

Xiaomi 13 Pro

Xiaomi 13 Proはシャオミのフラッグシップモデルであり、Snapdragon 8 Gen 2を搭載。カメラはライカ監修のトリプルカメラで、メインの広角カメラは1インチセンサーを採用。また光学3倍の75mmはポートレートに最適でテレマクロ機能も備える。有線での急速充電は120Wに対応、日本でいうところの神ジューデン速度だ。

基本スペック:

  • Snapdragon 8 Gen 2

  • 6.73インチ 3200 x 1440ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、5000万画素 超広角、5000万画素、3.2倍望遠、フロントカメラ 3200万画素

  • 4820mAhバッテリー(有線120W、無線50W急速充電)

  • 162.9 x 74.6 x 8.38mm、229g

Xiaomi 13 Pro

【Xiaomi 13】価格を抑えたライカカメラモデル

Xiaomi 13

Xiaomi 13は、Xiaomi 13 Proからスペックを下げつつも、ライカのカメラ体験を提供する一回り小型なモデル。Snapdragon 8 Gen 2搭載でパフォーマンスも高い。

基本スペック:

  • Snapdragon 8 Gen 2

  • 6.36インチ 2400 x 1080ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、1200万画素 超広角、1000万画素、3.2倍望遠。フロントカメラ 3200万画素

  • 4500mAhバッテリー(有線67W、無線50W急速充電)

  • 152.8 x 71.5 x 7.98mm、189g

Xiaomi 13

【Xiaomi 13 Lite】セルフィー向けのデュアルフロントカメラスマホ

Xiaomi 13 Lite

Xiaomi 13ファミリーでありながらライカカメラは搭載せず、代わりにフロントに2つのカメラを搭載。さらにフロントライトも2つ搭載し、セルフィーを重視するZ世代向けの製品。本体カラーもパステル系で明るい色としている。

基本スペック:

  • Snapdragon 7 Gen 1

  • 6.55インチ 2400 x 1080ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、800万画素 超広角、200万画素 マクロ。フロントカメラ 3200万画素 広角、800万画素 深度測定

  • 4500mAhバッテリー(有線67W急速充電)

  • 159.2 x 72.7 x 7.23mm、171g

Xiaomi 13 Lite

【OPPO Find N2 Flip】大型サブディスプレイ搭載の縦折りスマホ

OPPO Find N2 Flip

OPPO Find N2 Flipは閉じると手のひらサイズになるコンパクトサイズのスマートフォン。外側には3.26インチのサブディスプレイを備え、通知やウィジェットを利用可能。閉じたままでもメインカメラでセルフィーを撮りやすい。

基本スペック:

  • MediaTek Dimensity 9000+

  • 6.8インチ 2520 x 1080ピクセルディスプレイ(メイン)、3.26インチ 720 x 382ピクセルディスプレイ(サブ)

  • メインカメラ 5000万画素 広角、800万画素 超広角。フロントカメラ 3200万画素

  • 4300mAhバッテリー(有線44W急速充電)

  • 166.2 x 75.2 x 7.5mm(展開時)、85.5 x 75.2 x 16mm(折りたたみ時)、191g

OPPO Find N2 Flip

【OnePlus 11 Concept】世界初のアクティブ冷却機構採用モデル

OnePlus 11 Concept

OnePlus 11 Conceptは開発中のコンセプトモデルとして発表された。本体内に超小型サイズのマイクロポンプを内蔵し、冷却水を循環させて本体を速やかに放熱する。背面とカメラの周りで冷却水が流れる様を実際に見ることができる。なおベースモデルはSnapdragon 8 Gen 2採用で2月に発表されたOnePlus 11だが、Oneplus 11 Conceptの詳細スペックは公開されていない。

OnePlus 11 Concept

【HONOR Magic5 Pro】DXOmarkトップスコアの高性能カメラ機

HONOR Magic5 Pro

HONORのMagic5 Proは5000万画素トリプルカメラを搭載。DXOmarkのスコアは152で、発表と同時に全スマートフォンの中で最高の値をマークしている。5000万画素カメラを3つ搭載、カメラ部分は「ガウディカーブ」と呼ぶ曲線デザインを採用した美しい仕上げとなっている。フロントカメラは深度測定を加えたデュアル仕様。

基本スペック:

  • Snapdragon 8 Gen 2

  • 6.81インチ 2848 x 1312ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、5000万画素 超広角、5000万画素、3.5倍望遠。フロントカメラ 1200万画素 広角、深度測定

  • 5100mAhバッテリー(有線66W、無線50W急速充電)

  • 162.9 x 76.7 x 8.8mm、219g

    HONOR Magic5 Pro

【HONOR Magic5】高性能トリプルカメラ搭載スマホ

HONOR Magic5

HONOR Magic5は、Magic5 Proのスペックダウンモデル。とはいえカメラは最低でも3200万画素を搭載する高性能なトリプル仕様。Snapdragon 8 Gen 2搭載の高性能なスマートフォンだ。

基本スペック:

  • Snapdragon 8 Gen 2

  • 6.73インチ 2688 x 1224ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5400万画素 広角、5000万画素 超広角、3200万画素、2.5倍望遠。フロントカメラ 1200万画素

  • 5100mAhバッテリー(有線66W急速充電)

  • 161.4 x 75.5 x 7.8mm、191g

HONOR Magic5

【HONOR Magic Vs】サムスンに挑む高性能な折りたたみスマホ

HONOR Magic Vs

グローバル市場ではサムスンのほぼ1強となっている横折り式の折りたたみスマートフォン。そこに挑むのがHONOR Magic Vsだ。Galaxy Z Fold4より大型のディスプレイを搭載しながら、たたんだときに隙間ができないヒンジ構造を採用し、12.9mmの薄さを実現。5000万画素カメラを2つ搭載しておりカメラ性能も高い。

基本スペック:

  • Snapdragon 8+ Gen 1

  • 7.9インチ 2772 x 1984ピクセルディスプレイ(メイン)、6.45インチ2560 x 1080ピクセルディスプレイ(サブ)

  • メインカメラ 5400万画素 広角、5000万画素 超広角、800万画素、2倍望遠。フロントカメラ 1600万画素

  • 5000mAhバッテリー(有線66W急速充電)

  • 160.3 x 141.5 x 6.1mm(展開時)、160.3 x 72.6 x 12.9mm(折たたみ時)、267g

    HONOR Magic Vs

【realme GT3】240W給電可能な世界最速充電スマホ

realme GT3

realmeのrealme GT3はバッテリーを9分半で満充電できるという、世界最高の240W充電に対応する。背面のカメラ横は透明仕上げとして内部にSnapdragonのチップセット型のプレートを配置、その周囲を四角くライティングさせる「魅せるスマホ」だ。

基本スペック:

  • Snapdragon 8+ Gen 1

  • 6.74インチ 2772 x 1240ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、800万画素 超広角、200万画素 顕微鏡。フロントカメラ 1600万画素

  • 4600mAhバッテリー(有線240W急速充電)

  • 163.9 x 75.8 x 8.9mm、199g

realme GT3

【Unihertz Luna】どう見てもNothing Phone (1)にしか見えない光るスマホ

Unihertz Luna

UnihertzのLunaは背面を透明ガラスで覆い、その下にストライプ状のLEDライトを配置した光るスマートフォンだ。その外観はNothing Phone (1)にかなり似ており、MWCの期間中にNothingのカール・ペイCEOが同社を訪れ両端末を手にした写真がTwitterに掲載されている。

Nothing Phone (1)より優れている点は背面のLEDにフルカラーモデルがあることで、白以外のライティングも楽しめる。一方で劣っている点は本体の重量で、かなり重い。また通信方式は4Gとなる。

Unihertz Luna

基本スペック:

  • MediaTek Helio G99

  • 6.81インチディスプレイ

  • カメラ 1億800万画素 広角、3200万画素 超広角、200万画素 マクロ

  • 5000mAhバッテリー


【Tecno Phantom V Fold】インドでも折りたたみスマホが登場

アフリカやインド、東南アジアなどの新興国向けにスマートフォンを展開しているTecnoからも折りたたみスマートフォンPhantom V Foldが発表された。価格を約15万円に抑えつつも5000万画素カメラを2つ搭載する高性能な製品だ。展開時のメインディスプレイは市販されている他社の折りたたみモデルよりも解像度が高い。

Tecno Phantom V Fold

基本スペック:

  • Dimensity 9000+

  • 7.85インチ 2296 x 2000ピクセルディスプレイ(メイン)、6.42インチ 2550 x 1080ピクセルディスプレイ(サブ)

  • メインカメラ 5000万画素 広角、1300万画素 超広角、5000万画素、2倍望遠。フロントカメラ 1600万画素(メインディスプレイ側)、3200万画素(サブディスプレイ側)

  • 5000mAhバッテリー(有線45W急速充電)

  • 159.4 x 140.4 x 6.9mm(展開時)、159.4 x 72 x 14.2 - 14.5mm(折たたみ時)、299g

Tecno Phantom V Fold

【Nokia G22】自分で修理可能、パーツが別売されるスマホ

Nokia G22

HMD GlobalのNokia G22は、iFixitと提携し本体を自分で修理できるスマートフォン。ピック状の工具と精密ドライバー1本だけで本体を完全に分解可能だ。ディスプレイ、バックカバー、電池、USB端子基盤がそれぞれ別売され、本体故障時はそれらを購入して自宅で修理できる。またこれらパーツは5年間販売されるため、長期間同じスマートフォンを使い続けることが可能だ。

基本スペック:

  • Unisoc T606

  • 6.52インチ 1200 x 720ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 5000万画素 広角、200万画素 マクロ、200万画素 深度測定。フロントカメラ 800万画素

  • 5050mAhバッテリー

  • 165 x 76.19 x 8.48mm、196g

Nokia G22

【Motorola Defy 2】衛星通信対応のタフネススマホ

Motorola Defy 2

MotorolaのDefy 2は同社のタフネススマートフォン「Defy」シリーズ最新モデル。製造開発はBullitt Mobileが行った。3GPPが規格した業界標準の衛星通信方式(NTN:Non-Terrestrial Network)に対応し、携帯電話ネットワークの圏外でも衛星を使った非常発信が可能だ。

基本スペック:

  • MediaTek Dimensity 930

  • 6.6インチ 2408 x 1080ピクセルディスプレイ

  • カメラ 5000万画素 広角、800万画素 超広角、200万画素 マクロ。フロントカメラ 800万画素

  • 5000mAhバッテリー

  • 171 x 80 x 11.9mm、268g

Motorola Defy 2

【ZTE nubia Pad 3D】裸眼での3D表示が可能なタブレット

ZTE nubia Pad 3D

ZTEのnubia Pad 3DはLeia社の技術を使った裸眼3D表示対応のタブレット。フロントに2つのカメラがあり、アイトラッキングを行うことで3D表示をする仕組みとなる。また背面のデュアルカメラを使って3D写真や3D動画の撮影が可能。既存の写真や動画を3Dに変換することもできる。さらに3Dコンテンツの配信サービス提供も。3Dの利用をより身近なものにしてくれる。

基本スペック:

  • Snapdragon 888

  • 12.4インチ 2560 × 1600ピクセルディスプレイ

  • メインカメラ 1600万画素 x 2(デュアル)。フロントカメラ 800万画素 x 2(デュアル)

  • 9070mAhバッテリー(有線33W急速充電)

ZTE nubia Pad 3D

まとめ

2023年のMWCは出展企業もコロナ前に近いレベルにまで回復し、そしてスマートフォン新製品も多数発表されるなど盛況だった。シャオミやHONORはカメラ性能を高めたフラッグシップモデルでハイエンドターゲットを狙う一方、OPPOやrealmeはZ世代を狙っており、先進国市場における各中国メーカーの方向性がきれいに分かれた点は興味深い。

またTecnoがインドにも折りたたみモデルを出す動きは、もはや折りたたみスマートフォンがニッチな製品ではなく各社のフラッグシップクラスの製品になったことの表れだろう。モトローラの衛星通信やノキアの自己修理モデルなど、スペックを追いかける以外の製品が出てきたことも面白い。「出していいのか?」と思えるUnihertzのLunaなど、今回のMWCで出てきたスマートフォンはすべてが注目すべき製品だったと言える。


《山根康宏》
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