今年秋に登場とみられる「iPhone 15」シリーズのうちProモデルは、かなりの値上げになるとの多くの情報源が予測しています。
昨年のiPhone 14 Proは為替を反映して日本では前年モデルより値上げでしたが、ドル建てでは変わっていません。しかしiPhone 15 Proは米国でも、つまり世界的に高くなるということ。
たとえばHaitong International SecuritiesのアナリストJeff Pu氏は何回もそう主張し、Wedbush SecuritiesのアナリストDan Ives氏はProではないモデルも値上げになると述べていました。
それに続き、英BarclaysのアナリストTim Long氏が、投資家向け研究ノートで「具体的にいくらの値上げになるか」の予想を述べています。
この情報は、「アジアのサプライチェーン企業との会話」に基づいているとのこと。アジアにはiPhoneの用の部品を供給したり、組立を担当する関連企業が多くあり、リーク情報が入っていても不思議ではありません。
Long氏によると、米国でのiPhone 15シリーズの価格は以下のようになる可能性があります。
iPhone 15:799ドル(変更なし)
iPhone 15 Plus:899ドル(変更なし)
iPhone 15 Pro: 1099ドル(現在999ドル)
iPhone 15 Pro Max:1299ドル(現在1,099ドル)
つまり標準モデルは価格据え置き、小さなProモデルは100ドル値上げ、大きなPro Maxモデルは200ドル値上げというわけです。
これまでの噂話を総合すると、iPhone 15 Proは大小ともにチタン製フレーム採用、台湾TSMCの最先端3nmプロセス製造による「A17 Bionic」チップ搭載、RAMは前モデルの6GBから8GBへと増量し、様々な機能を割り当てられる「アクションボタン」を従来のサイレントスイッチと挿し替え。
さらに大きなiPhone 15 Pro Max限定で、ペリスコープ望遠レンズを搭載。これにより光学ズームがiPhone 14 Proの最大3倍から5~6倍にグレードアップすると、著名アナリストMing-Chi Kuo氏が何度も主張してきました。
これだけ搭載パーツがリッチとなれば、コストアップによる値上げは避けにくいはず。またLong氏は、ペリスコープ望遠レンズが「iPhone 15 Pro Maxの部品代に50ドル程度上乗せする」と述べており、小さなProモデルより+100ドルの価格アップも納得できそうです。
これらのサプライチェーン情報は、部品のコスト増を積み上げた推測に過ぎません。たとえコストアップしても、アップルがiPhoneの普及率を優先して、戦略的に価格を抑える可能性もあります。実際、信頼性の高いKuo氏でさえ、昨年iPhone 14 Proの米国価格は値上げだと予想して外していました。
とはいえ、iPhone 15標準モデルの製造コストは約12%、iPhone 15 Proモデルは約20%上がるとのリーカー情報もありました。もしも正しいとすれば、アップル側で全てのコスト増を吸収して価格に転嫁しないことは厳しいかもしれません。