iPhone 15先行レビュー、『全般にわずかに小さく』がもたらす大きな違い。Pro Maxが誇る5倍ズームの威力と悩み(村上タクタ)

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村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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新型iPhone 15シリーズの端末を先行レビュー用に数日使っている。

気になることはいっぱいあるが、まずはサイズの違いをiPhone 14シリーズと較べてみよう。スペックの違いはわずかだが、実際の触感は大きく違う。また、iPhoneケースの流用が可能かどうかも調べてみた。

※本記事は、9月22日の発売日の前にアップルから借りた端末を元に執筆している。新しいOSの利用についても許可を得ている。

大きく進化したiPhone 15 ProシリーズとiPhone 15シリーズ

今回、iPhone 15シリーズは、スタンダードモデルのiPhone 15/15 Plusも、iPhone 15 Pro/15 Pro Maxも大きく変化している。しかしながら、外見の変化は最小限にとどめている。

『大きな変化があった時ほど、外見の変化は最小限にして、ユーザーを驚かせない』というのがアップル流なのだ。

まずは、トピックだけでも書き出してみよう。

iPhone 15/15 Plus

  • A16 Bionic搭載

  • 新メインセンサーで、1倍、2倍撮影切り替えを実現

  • Dynamic Island搭載

  • USB-Cコネクター搭載

iPhone 15 Pro/15 Pro Max

  • チタニウムボディ採用

  • メインセンサー変更、Maxに5倍望遠搭載

  • A17 Pro搭載

  • アクションボタン搭載

  • USB-Cコネクター搭載

これだけの仕様変更を行っていながら、外形寸法はわずか。しかし、そのわずかな違いで、大きな変化を感じさせるのが、アップルの面白いところだ。

iPhone 15 Proはスペック以上に小さく感じる

まずは、チタニウムボディを採用し、大きく外見を変えたiPhone 15 ProとiPhone 14 Proを比較してみよう。高さと幅は0.9mmずつ小さくなっている。対して、厚さは0.4mm増している。重さは19g軽い。

▲左がiPhone 14 Pro、右がiPhone 15 Pro

たったこれだけのわずな違いだが、握り心地は大きく違う。

角の滑らかさ、チタニウムの軽さが大きく効いている部分で、握りのフィット感がとても良い。

もちろん、iPhoneケースに入れてしまえば、その違いはほどんど分からないのだが。

試しに、Peak DesignのiPhone 14 Pro用ケースに、iPhone 15 Proを入れてみたが、ゆるりと入るし、抜け落ちることもない。ボタンの位置もだいたいフィットする。ただし、アクションボタンは深過ぎて、指で押すことはできない。

▲Peak DesignのiPhone 14 Pro用ケースに、iPhone 15 Proを入れてみた。入るけど、ゆるゆる
▲カメラ部分は新型の方がわずかに大きいようだ

さらにシビアなフィッティングを要求するDeffのiPhone 14 Pro用ケースに、iPhone 15 Proを入れてみると、それでもするりと入った。少し緩いが抜け落ちることはない。それぐらい微妙な差なのだ。各部スイッチの位置は微妙に違うが、動作しないというほどのことはない。

▲DeffのiPhone 14 Pro用ケースに、iPhone 15 Proを入れてみた。ボタンの位置は微妙に違うので、位置がシビアなケースだと使えなさそう

ここまで酷似した形状にするなら、完全に同じにしてくれれば、前モデルと同じiPhoneケースが使えるのに……と思わなくはないが、アップルにとっては、それぞれのモデルの100%の追求の方が、ケースの互換性より大切なのだろう。

というぐらいの微妙な違いなので、スリーブケースのようなルーズなものは使用可能だと思う。

とはいえ、逆にiPhone 15 Proのケースに、iPhone 14 Proを入れようとすると、まったく入らない。大は小を兼ねるが、逆は無理なのである。

iPhone 15 Pro Maxも微妙に小さくなっている

iPhone 15 Pro MaxとiPhone 14 Pro Maxもほぼ同じ傾向。高さが0.8mm減って、幅も0.9mm減っており、厚さは0.4mm増している。重さが19g軽くなっているのも同じ。

▲右がiPhone 15 Pro Max、iPhone 14 Pro Max

iPhone 14 Pro Maxのケースに、iPhone 15 Pro Maxはゆるりと入る。ご覧のようにハードなケースはすき間がありすぎるが、厳密でないケースだったら、使えなくはない。日常使用には向かなくても、とりあえず正しいケースが手に入るまで、旧型のケースでやり過ごすのも無理ではない。すっぽ抜けなどの事故が起こる危険はあるが。

▲DeffのiPhone 14 Pro Maxのケースに、iPhone 15 Pro Maxを入れてみた。微妙に緩い。新しいケースを買うまでの数日をやり過ごすぐらいなら使えそう

iPhone 15/15 Plusはさらに旧型に近いサイズ

スタンダードラインはさらに旧型にサイズが近い。

iPhone 15はiPhone 14に対して、高さが0.9mm拡大しており、幅はわずか0.1mm拡大。厚さは変わらず、重さは1g減っている。

▲右がiPhone 15。左がiPhone 14

iPhone 15 PlusはiPhone 14 Plusに対して、高さが0.1mm大きく、幅が0.3mm小さい。厚さは変わらず、重さは2g減っている。

▲右がiPhone 15 Plus、左がiPhone 14 Plus

ここまで近いと、プラスチックケースやシリコンケースなどは、だいたい使えてしまう。とはいえ、微妙にスイッチの位置が違ったり、カメラの枠部分が正しく合っていなかったりするのだが。

▲シリコンケースだと使えてしまうが、カメラの土台部分のサイズが微妙に拡大されているので、少し収まりが悪いし、ケラレが発生する場合もありそう

ともあれ、スタンダードラインは、ほぼ寸法が変わらないと理解していてもらっていいだろう。ケースを流用できるほどではないが。

iPhone 14 Pro Maxの、5倍望遠、120mmの威力と悩み

さて、次に一番気になるポイントであるiPhone 15 Pro Maxの望遠カメラについて試してみよう。

撮影場所は我が家の近所の緑道。木漏れ日が逆光となる意地悪な撮影条件で試してみた。

まず、1倍、24mm。完全に逆光で、肉眼では顔がかなり暗く落ちているのだが、なんとか明るくしてくれるところがiPhone。そんなに頑張ってくれなくても、もうちょっと自然な感じに暗くなってもいいのに……と思うのだが、最近はこういうのがトレンドなのだろう。逆光のレンズフレアやゴーストが入るのも相変わらずではある。

ちなみに、メインカメラは人が写っていると自動的にポートレートモードになり、深度の深い写真を撮って、深さ情報からボカしを加える処理をあとから行うことができる。撮影後にf値を変化させて背景をボカしたのがこちら。

次に0.5倍の超広角、13mm相当。人物だけでなく、緑道全体の雰囲気が分かる写真になる。部屋全体の雰囲気とか、建物全体を入れるとかが可能なのもご存知の通り。

そして、今回の白眉、120mm相当の5倍望遠。

ググッと寄れて解像感もしっかりしている。まつげや髪の毛のディテールもしっかり見える。対して、背景のボケはレンズによるナチュラルなもの。ポートレートモードで撮影されており、深度情報を持っているので、さらにデジタルでボケを加えることもできる。しかし、デジタルのボケだと、髪の毛の逆光部分などが溶けてしまうので、やはり自然なボケの方が破綻していなくていいと思う。

ちなみに、iPhone 15 Proの3倍望遠、77mmはこのぐらいの画角になる。

実際使ってみると、120mmというのは少し遠過ぎるという感じもする。iPhone 14 Pro Maxは120mmと48mmの間をデジタルズームで埋め合わせるわけで、それなら77mmというまだ日常性のある画角のiPhone 15 Proの方が使い勝手がいいかもしない。120mmという長さのレンズを、スマホの形状でホールドして画角を維持するのもなかなか大変。

また、5倍望遠で撮影しても、明るさが足りないと4800万画素(48MP)のメインセンサーを利用してクロップするようで、今回120mmの使用を狙って撮った写真の多くがそうなっていた。夕暮れの写真や、室内光では48MPセンサーが使われることが多かった。iPhoneは、明るさや手ブレなど、さまざまな要素を勘案してレンズを選んでいるので、一概には言えないが120mmレンズは暗い状況にあまり強くないのかもしれない。

筆者は、最初120mmレンズが欲しくてiPhone 15 Pro Maxを購入しようと思っていたが、この2点に悩んでやはりiPhone 15 Proにしようかと思っている。しかし、進む老眼には、iPhone 15 Pro Maxの大きな画面は魅力的だ。使用して記事を書いてる間に、予約に出遅れてしまったので、もうちょっと悩んでから購入するiPhoneを決めようと思っている。

iPhone 2023特集
《村上タクタ》

村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

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