Meta Quest 3詳細発表。4K+でPro超える性能、MRは解像度10倍に進化 7万4800円から

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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9月28日から開幕したイベント Meta Connect 2023 基調講演で、CEOマーク・ザッカーバーグが新たなVRヘッドセット Meta Quest 3 の詳細を発表しました。

Meta Quest 3は、現行のQuest 2を引き継ぐメインストリーム向け次世代モデル。

昨年発売した高価なプロ仕様モデル Meta Quest Proから、パンケーキレンズを採用した薄型の「Infinite Display」光学系などの多くの点を引き継ぎつつ、両目4K+画素数歴代Quest 最速の処理性能など、多くの点で Pro も超える高性能を備えます。


Quest 3 128GB
¥74,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

処理速度以上に大きな差は、新設のデュアルRGBカメラと奥行きセンサ(デプスプロジェクタ)による高度な Mixed Reality表現。

現行のQuest 2でも外部カメラ映像をモノクロで映して「家具にぶつからない程度に一応は外が見える」パススルー表示ができましたが、Quest 3ではカラーかつ解像度が10倍

細部まで自然に周囲の環境が把握でき、奥行き認識で仮想と現実を高度に重ね合わせた表現ができるようになりました。

カメラと奥行きセンサで家具や壁などを高度に認識できるため、従来は手動だったガーディアン(安全に動ける範囲)設定も自動で完了します。

そのほか標準でメガネをかけたまま装着しやすく調整可能なフェイシャルインターフェース(接顔部)。薄型化による重量バランスの改善、リングがなくなり高度なハプティック対応になった新型のTouch Plusコントローラなど、全般に改良を加えたモデルです。

オプションパーツやアクセサリにカラーバリエーションが用意され、ユーザーの個性を主張しやすく、複数台あっても区別しやすくなったのも Quest 3からの特徴。

アクセサリや周辺機器としては、装着感を向上させるエリートストラップ(増槽バッテリーあり・なし)、汗や汚れを拭き取りやすいシリコン製フェイスインターフェース、カラーバリエーションのあるフェイシャルインターフェース&ヘッドストラップ、充電ドックなど。

周辺機器としては Meta Quest Pro のコントローラとも互換性があり、多数のカメラを搭載したセルフトラッキング方式でさらに高いトラッキング性能や内蔵充電池といった恩恵があります。

(Quest 3標準コントローラの利点を挙げるなら、電池式ですぐ交換できる、比較的軽いなど。)

逆に Quest Pro からオミットした機能や設計としては、アイトラッキング・フェイストラッキングは非搭載

装着の方式も、Proはハードストラップを使い前頭部と後頭部で固定し、ダイヤルで調整する仕組みですが、Quest 3は標準では2と同じく顔に押し付けて柔らかなバンドで留める形式です。

Proよりも簡易的ではありますが、バンドが柔らかいため全体を小さく持ち運びやすい利点はあります。

具体的な仕様としては、

  • 片目あたり2064 x 2208ピクセル。Quest 2比で30%高解像度化。最高25PPDでProを含む歴代Questで最高の高精細。

  • 視野角 水平110度・垂直96度。歴代Quest最高。

  • リフレッシュレート90Hz、120Hz(実験機能)。

  • Snapdragon XR2 Gen 2搭載。Quest 2比較でグラフィック性能2倍、歴代最高性能。

  • 8GB RAM。Proの12GBよりは少なく、Quest 2の6GBからは33%増加。

  • 重量512g。700g超のQuest Proよりは軽く、Quest 2よりわずかに(9g)重い。レンズ部が40%薄型化したことで重心が顔に近く重量バランスは改善。

  • レンズ間距離調整 58mm - 71mm。IPD(瞳孔間距離)に応じて従来よりも細かく正確に調整可能。

  • Wi-Fi 6E対応。ストリーミングやPC VRヘッドセットとのワイヤレス運用(Air Link)で転送速度が向上。

  • バッテリー駆動時間は平均で2.2時間。ゲームで平均2.4時間、プロダクティビティで平均1.5時間、メディア視聴で平均2.9時間など。

Meta Quest 3は内蔵ストレージ 128GBモデルが7万4800円、512GBモデルが9万6800円。すでに予約注文を受け付けています。出荷は10月10日から。

毎月2本ずつ追加される厳選タイトルが定額で遊べるサブスクリプションサービス Meta Quest+ のトライアル加入のほか、2024年1月27日までの購入で、大作ゲーム『Asgard's Wrath 2』が付属します。

実際に体験したところ、「40%小型化(※レンズ部のみ)」なのに2より重いのかよ、と思わせられる512gも、重心が顔に近くなったためかストラップの改善か、顔にかかる重みが減り、以前よりは軽い装着感。着脱が億劫な感覚は、標準のストラップでもQuest 2より改善しています。

映像は「4K+ (ただし両目合わせて)」、あるいは片目2K+なので、片目4K x 4Kの超高精細ヘッドセットには及ばないものの、色の鮮やかさや精細感を含め、Quest 2はもちろんProよりもくっきりと自然に見えます。

Mixed Reality はまさに天地の差で、大げさにいえば一瞬ヘッドセットを着けているのを忘れるほど。手元のスマートフォン画面すら確認できます(肉眼同等ではないため、細かな字はスマホを近づけないと読めませんが)。

コントローラは軽く小さく、振動は Pro と同等の繊細なハプティックフィードバックに。Metaによれば、トラッキング性能としては厳密にいえばセルフトラッキングの Proコントローラのほうが高いものの、Quest 2のコントローラよりは改善しており、さらに今後ハンドトラッキングなど機械学習により精度が向上してゆくとの説明でした。

Mixed Realityで自分の部屋をゲームの舞台にしたいプレーヤーがどれほど居るかはさておき、テーブルの上に仮想のブロックやロボットアリーナが出現するだけで、あるいは周囲の人や環境が見えているだけで、没入型とはまた違ったリアリティの感覚が楽しめます。

なにより、VRヘッドセットにとってもっとも重要な映像体験が歴然と進歩しており、見えるVR世界の鮮やかさが隔絶しているため、体験の質としては迷う余地なくQuest 3を選びたくなります。

ソフトウェアは Quest 2向けがすべて動く後方互換に加えて、多数のソフトがQuest 3対応アップグレード予定。

発売から年内に50本以上の Quest 3対応ソフトが登場するほか、従来ソフトのアップグレードでも50本以上。うち半数の50本以上は Mixed Realityにも対応予定です。


Quest 3 128GB
¥74,800
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
Meta Quest 2—完全ワイヤレスのオールインワンVRヘッドセット—128GB
¥45,541
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《Ittousai》
Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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