ソニーがプレイステーション初のワイヤレスイヤホン PULSE Explore の国内発売日を12月6日に決定しました。
オーバーヘッド型のワイヤレスヘッドセット PULSE Elite は2024年2月21日に発売します。
PULSE Explore と PULSE Elite は、ソニーが新たに制定したゲーミング向きの低遅延ロスレス規格 PlayStation Link (PS Link)とBluetoothの同時接続に対応するイヤホン / ヘッドホン。
イヤホンのPULSE Explore もヘッドホンのPULSE Elite ともに、ドライバ(スピーカー)にプレーナーマグネティック型 (平面駆動型)を採用する点も特徴です。
11月15日発売のリモートプレイ専用機『PlayStation Portal リモートプレーヤー』のほか、同梱のUSBアダプタを介してPS5やPC、Macと低遅延のPS Linkで接続できます。
Bluetooth とも同時に接続できるため、PS5でアクションやタイミングが重要なゲームを低遅延オーディオで聴きつつ、スマートフォン等と接続してチャットといった使い方ができます。
プレーナーマグネティック型ドライバは、仕組みとしては広い周波数帯域にわたって歪みが少なくクリアな音を届けられることが特徴。
ソニーでは「プロのサウンドエンジニアが使用するような高価なヘッドホンに搭載されているカスタム設計のプレーナーマグネティックドライバー」と表現しています。
小さなイヤホン型での採用例は最近増えてきたばかり。ゲーミングヘッドセットで平面駆動型といえばAudeze がPS用やXbox用を出していましたが、最近になってソニーに買収されたことが分かっています。
ゲーミングとして音質と並んで重要なチャットとマイクについては、PULSE Elite は引き出し式のブームマイクを新たに搭載。
現行のPULSE 3Dでは仮想ブームマイクといいつつ若干心もとない感じでしたが、Eliteでは口元に直接マイクを引き出して喋れます。
PULSE Elite / PULSE Explore ともに、機械学習を使用したノイズリダクションフィルタを搭載。
ソニーで実際にデモを聞いたところ、従来のゲーミングヘッドセットではスナック菓子の袋がガサガサという音が貫通してチャット相手にも聞こえ閉口するような状況でも、PULSE Exploreではまったく分からず、ほんとにマイクオンにしてました?と思うようなフィルタ性能でした。
短時間ながら試用した範囲では、Explore は完全ワイヤレスとは思えないパワフルでクリアな音と、アクションゲームでも一拍遅れて聞こえない低遅延が好印象でした。試遊したのは3Dオーディオが特徴の高速アクション Returnal など。
PULSE Elite は音質もさることながら、デカくて柔らかいイヤークッション、そしてちゃんと操作しやすいまともなボタン配列に改心していたのが嬉しいポイント。
(PULSE 3Dも決して悪くないヘッドセットで、OSとの親和性など見るべき点もありつつ、触感でほとんど区別できない小さなボタンが密着して並ぶ、どういう心理で発売したのか謎としか言いようがない操作系が残念でした)
Exploreのほうも、イヤホンにしては大型の本体に物理ボリュームボタンを備えており、耳に挿さったイヤホンを叩くことなく操作できます。
ワイヤレスイヤホンにしては大きく、耳から外に白いシェルが飛び出すデザインですが、大きなPSロゴもあり、室内だけでなく外で音楽用・ゲーム用のイヤホンとして使えば、世間の人に俺はPSが好きだ!と高らかに宣言するステートメント効果もあるかもしれません。
(PS3時代のBluetoothヘッドセットもロゴで主張できましたが、チャット用の片耳仕様なので着けて歩くとインカムで仕事中の人かエージェントかという状態でした。)
PlayStation Linkのアダプタは本体にひとつ同梱するほか、Exploreと同日の12月6日に3480円で単品でも販売します。
USB Audioが使えれば汎用的にPCでもMacでも使えるため、出先で遅延のシビアなゲームをワイヤレスイヤホンで遊びたい用途には持ち歩きもありです。
PULSE Explore ワイヤレスイヤホンの希望小売価格は2万9980円、PULSE Eliteワイヤレスヘッドセットは1万8980円。
11月9日より、PS取扱店で予約受付を開始します。
なお、同じソニー(グループ)が主にPCゲーミング向けに販売する INZONEシリーズでは、完全ワイヤレスで低遅延RFとBluetoothに両対応するイヤホンという意味で同じような立ち位置の INZONE Budsも出ています。