フォルダブルスマホの「Galaxy Z Fold5」を使い始めてから、早2か月が経ちました。いや、わずか2か月と言った方がいいかもしれません。軽量化やヒンジの小型化には満足していた筆者ですが、その軽さを十二分に味わうため、普段通りの裸運用をしていました。ドコモの「smartあんしん補償」という“見えないケース”に守られている安心感も、スマホを毎回裸で使う理由の1つです。
ところが、たった2か月でやってしましました……。まさかの落下破損です。落下は直近の2週間で2回。いずれも、家族で食事している最中の出来事です。泥酔していたわけではありませんが、お酒も少々飲んでいたため、扱いが雑になってしまったのでしょうか。過去を振り返っても、スマホを破損するのは大体酔っぱらっているときが多いです。飲んだら使うなフォルダブル、を標語にしたいところです。
バッキバキに割れたメインディスプレイの写真を期待した方には申し訳ないのですが、そこまで激しい破損ではありません。1回目はフレームの凹み程度の軽微なダメージ。むしろ、道具としては普通につきそうな傷で、愛着もわいてくるような傷です。ただ、2回目はディスプレイにパックリとヒビが入ってしまいました。タッチで触れると、段差がついていることが分かるレベルです。
操作感に影響があることに加え、見栄えもよろしくないというわけで、すぐに修理の予約をした次第です。Galaxyシリーズの多くは、ドコモやサムスン電子の「即時修理」に対応しています。ここには、Galaxy Z Fold5も含まれます。一般的なAndroidスマホの場合、修理はメーカー送りになり、データの初期化も必要。修理期間中は、スマホが使えなくなるブランクも生じます。
これに対し、Galaxyシリーズは店頭での即日修理に対応しています。即日修理は、データの消去が不要で時間も約1時間。フォルダブルスマホの場合、2時間程度かかるようですが、数日間、端末が手元から離れ、さらに各種データを再設定しなければならない通常の修理と比べると、かかる時間や手間はケタ違いに短く、少なくなります。しかも、冒頭で言及したsmartあんしん補償を利用すれば、修理代の上限は5500円。早い、安い、上手いというわけです。
難点は、対応店舗が限られているところ。比較的充実している東京都内でも、これができるのはドコモショップ2か所。上野広小路店と池袋サンシャイン通り店しかありません。以前対応していた丸の内店は、閉鎖になってしまいました。原宿にあるサムスン運営の「Galaxy Harajuku」を入れても、計3か所しかありません。
しかも、Galaxy Harajukuは、auユーザーやSIMフリーモデルの即時修理が行える唯一の店舗ということもあり、修理希望が集中しがち。筆者が予約を試みた際も、1か月先まで空きがなく、予約ができませんでした。一方のドコモショップはドコモ版だけに限定されるうえに店舗が複数あるため、ユーザーが分散されるようで、1週間後であればチラホラと空きがありました。この状況を見るに、安心を買うなら(そして都市部に住んでいるなら)ドコモ版と言えそうです。
ということで、筆者が予約したのは池袋サンシャイン通り店。距離的に言えば渋谷の事務所に近いGalaxy Harajukuがよかったのですが、先の述べたとおり、いつ予約が取れるかが分からなかったので次に近い池袋にした次第です。予約時間通りにショップに行き、オンラインで発行していたQRコードを見せると、すぐにGalaxyリペアコーナーに案内されました。
万が一、修理に失敗してしまった場合、データが消えてしまうおそれがあることや、基板が破損していた場合は店頭修理ができないことなどに同意したあと、修理が始まります。と言っても、ユーザー側がするのは端末を渡すことだけ。通常の端末は1時間、フォルダブルスマホは最大2時間で修理が終わります。あとは、店舗の周辺でヒマをつぶしつつ、時間になったら受け取りにいくだけです。
結局、筆者の端末は外側のカバーディスプレイとフレームが修理されたほか、開いたときのメインディスプレイも交換となりました。メインディスプレイに傷はついていなかったものの、パーツ単位での修理はできない模様。フレームとメインディスプレイまで一体となった部品に、破損した端末の基板を移植するような形が取られ、外装はほぼ丸々交換した形になりました。
このパーツにはバッテリーもセットされていたため、こちらも交換に。修理というよりもはや基板の移植といった体の大手術になってしまいました。まるでSF作品の中に出てくるような、頭脳だけを入れ替えて体がピカピカになったロボットのよう。smartあんしん補償のおかげで修理代は5500円だけで済みましたが、あのパーツだけで一体いくらしたんだろう……。ちなみに、この修理代金は毎月の携帯電話代と合算で支払うことができます。
修理後のGalaxy Z Fold5は、外装を総とっかえしているため、当然ながら見た目はまるで新品のようになりました。smartあんしん補償は毎月1100円とぶっちゃけirumoの3GBプランより高額(各種割引適用後)ですが、入っていてよかったと思います。また、同サービスは1年でスマホを割安に買い替えられる「いつでもカエドキプログラム+」の必須条件にもなっているため、契約はしておいた方がいいでしょう。
フォルダブルスマホは可動部分も多く、重量も一般的なスマホよりマシマシになるため、落下時に故障しやすいのがデメリット。折りたためるメインディスプレイも、フィルムに折り目がつきやすく、修理の機会は多くなりそうです。こうした特徴を踏まえると、やはりすぐに直せることはメリットの1つと言えます。その意味で、サムスンのフォルダブルスマホを買うなら、やはりドコモ版がお勧めです。
また、Pixelに関しては、iCrackedで同様に即日修理を行っています。こちらは、ソフトバンクの「あんしん保証パックネクスト」の対象で、年2回の修理が0円になります。iCrackedはPixel Foldも修理対象にしています(ただし、Foldはパーツが取り寄せになります)が、この保証を利用できるのはソフトバンク版のみ。こうした点を加味すると、Pixelはソフトバンクでの購入するのがベターかもしれません。スマホやキャリアを選ぶ際の新たな基準として、修理のしやすさや補償の手厚さなどまで考慮する時代になりつつあると言えるでしょう。
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