Googleは1月17日付でリリースしたChrome 121のAndroid版で、QualcommとArmのGPUを搭載したデバイスではWebGPUがデフォルトで有効になったことを明らかにしました。
下記はGoogle ChromeエバンジェリストFrançois Beaufort氏のポストです。
WebGPUは、これまでWebブラウザ上でJavaScriptを用いた2次元や3次元の高速なグラフィックスの描画を行うWeb標準として使われてきたWebGLの後継となるWeb標準です。
WindowsのDirect 3D 12やmacOSのMetal、LinuxのVulkanのような、ローカルマシンに搭載されているGPUの能力を最大限に発揮できるように策定されました。
オーバーヘッドが小さく低レイヤで操作できることで、高速なグラフィクスレンダリングや機械学習処理などが可能になります。
デスクトップ版Chromeでは昨年(2023年)4月にリリースされたChrome 113で正式版として利用可能になっており、JavaScript対応のグラフィックスライブラリであるBabylon.js、Three.js、ゲームエンジンのPlayCanvas、機械学習ライブラリのTensorFlow.jsなど、さまざまなライブラリがWebGPUに対応済み、もしくは対応を進めています。
最近ではモバイルデバイス上でも、ゲームなどの高速な3Dグラフィックス描画やAI処理などが実行されるようになっています。Android版Chrome 121でWebGPUが利用可能になったことで、今後こうした処理がWebブラウザ上でも実装されていくことが期待されます。
この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2024年1月22日に掲載した『Android版のChrome 121、高速なグラフィクス描画やGPUプログラミングを可能にする「WebGPU」が標準で利用可能に』を、テクノエッジ編集部が編集・転載したものです。