サムスンの最新フラッグシップスマートフォン Galaxy S24シリーズは、「Galaxy AI」搭載が特徴のひとつです。
それら機能の多くは、Googleの大規模言語モデルGemini Proと画像生成モデル Imagen 2をクラウド経由で活用するもの。サムスンもGoogle Cloudと協力したことを強調しており、ネット接続不要のオンデバイスAIとしてもGemini nanoを使う予定だと明らかにしています。
しかし、サムスンは中国向けGalaxy S24シリーズにはGeminiではなく、現地企業の百度(Baidu)が開発したAI「Ernie 4.0」を採用したことを発表しました。
サムスンと百度は共同声明で「Ernieの理解力と生成機能によりアップグレードしたSamsung Note Assistantは、コンテンツを翻訳し、ボタンをクリックするだけで長い内容を明瞭かつインテリジェントに整理した形式に要約し、膨大なテキストの整理を効率化できます」と述べています。
百度は、Ernieの最新版である4.0がこれまでで最も強力であり、OpenAIのGPT-4と同等だと主張しています。
中国向けGalaxy S24シリーズの製品ページにも、「かこって検索」やリアルタイムの通話翻訳、文字起こしアシスタント、写真のAI編集など米国やその他の国・地域向けと同じ機能の多くを宣伝しています。その一方でGoogleへの言及はないため、Ernieにより実現していると推測されます。
ちなみに日本向け製品ページでは、「Google」がふんだんに使われています。
なぜ中国向けモデルではGoogle Geminiを使わないのかをサムスンは言及していません。中国政府は国内のハイテク大手にChatGPTサービスを提供しないよう指示したと報じられていましたが、中国外のAIを使わないよう配慮したのかもしれません。
中国では、アリババもChatGPT対抗のAI言語モデルを発表していました。今後、こちらを搭載したスマートフォンが登場するか、注目したいところです。