シャオミ14T / 14T Pro実機ハンズオン。ライカコラボの折りたたみXiaomi MIX Flipも (石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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シャオミは、9月26日(現地時間)にドイツ・ベルリンで「Xiaomi 14T」「Xiaomi 14T Pro」を発表しました。

同イベントでは、中国で展開している縦折り型のフォルダブルスマホ「Xiaomi MIX Flip」の国際展開も明かしています。

▲ Xiaomi 14T Pro(右)とXiaomi 14T(左)。2機種とも超広角、広角、望遠のトリプルレンズ。一見区別がつかないほど、デザインは共通している

 型番にTのつくモデルは、価格を抑えたフラッグシップモデル。5月にオープンマーケットモデルとして発売された「Xiaomi 14 Ultra」よりもスペックを抑えつつ、そのぶん、フラッグシップながら手に取りやすい価格を実現しています。

日本では昨年、「Xiaomi 13T Pro」を神ジューデン対応モデルとして1年実質24円で発売し、そのコスパのよさから話題を集めました。

 Xiaomi 14Tシリーズも、フラッグシップモデルとしてはリーズナブルな価格で、ノーマルモデルのXiaomi 14Tは649ユーロ(約10万5000円)、Xiaomi 14T Proは799ユーロ(約12万9000円)です。

欧州では、24か月縛りなどのある特定の料金プランに加入すると無料や1ユーロ(約162円)といった低価格で販売されます。

▲ 価格は649ユーロと799ユーロ。センサーやプロセッサー、充電速度などに違いがある

▲ 欧州キャリアでは、0ユーロで販売されることも。ただし、特定の料金プランに加入する必要がある

 2機種とも、カメラはライカブランドを冠しており、Xiaomi 14T Proには、シャオミ独自のカスタムイメージセンサー「Light Fusion 900」を採用。これは、フラッグシップモデルの「Xiaomi 14」(日本未発売)と同じで、センサーサイズも1/1.31インチと大型です。

対するXiaomi 14Tには、ソニーの「IMX906」を搭載。こちらはセンサーサイズが1/1.56インチで、Proよりはやや性能を抑えていることが分かります。

▲ Xiaomi 14T Proは、センサーにLight Fusion 900を採用

 コスパを重視したフラッグシップモデルがゆえに、Xiaomi 14 Ultraに搭載された可変絞り機構のような驚きの新技術は搭載されていないものの、ライカとのコラボによって高い撮影性能を備えています。

AIを組み込んだISPを「Xiaomi AISP」と呼び、8枚のRAW画像を合成したり、ノイズリダクションやダイナミックレンジを広げたりといったコンピュテーショナルフォトグラフィーの処理も行っています。

 ライカのテイストを盛り込んだフィルターも健在で、Xiaomi 14 Ultra同様、ライカロゴの入ったウォーターマークをつけての撮影も可能。

フィルターをかけて、ウォーターマークを付与すると、サッと撮った写真も“それらしく”見えてしまうのが不思議です。それを可能にしている絵作りは、ライカコラボならではと言えるでしょう。

▲ フィルターもライカ仕様

▲ ライカマークの入ったウォーターマークを付与することもできる

▲ フィルターをかけ、ウォーターマークをつけると、それっぽい写真に仕上がる

 ポートレートモードでは、23mm、35mm、60mm、75mmから画角を選択できるユーザーインターフェイスを備えています。広角寄りから、人物のバストアップを写すのに向いた75mmまでをしっかりカバーしており、こうした点も、撮影のノウハウを蓄積しているライカと協業した成果と言えそうです。

▲ ポートレートモードは画角を4つから選択可能

 24年はスマホのAI対応がトレンドの1つになっていますが、シャオミも例外ではありません。Xiaomi 14T、14T Proは、2機種ともAIを活用した機能を強化。「旅行」「クリエイティブ」「生産性」といった3つのシナリオに合わせた機能を搭載しています。

 旅行などで活躍するのが翻訳機能。画面を相手側と自分側に分割でき、自然に会話ができるユーザーインターフェイスが特徴です。残念ながら、ハンズオン会場はWi-Fi環境がイマイチだったのか、翻訳を試すことはできませんでしたが、日本語も選択することができました。「Video editor」という機能では、選択した写真や動画から自動的にビデオクリップを作成できます。

▲画面を分割して、自分と相手それぞれの言語を翻訳できる

▲ビデオクリップをAI任せで生成することが可能

 さらに、ボイスレコーダーでは、文字起こしが可能になりました。文字起こし可能なボイスレコーダーとしてはグーグルのPixelシリーズがおなじみですが、サムスン電子のGalaxyシリーズも「Galaxy AI」でこれに追随。こうした動きにキャッチアップすべく、シャオミもXiaomi 14Tシリーズでボイスレコーダーを文字起こしに対応させています。

▲ボイスレコーダーの文字起こしは、日本語に対応していた

 残念ながらPixelのようなリアルタイムの文字起こしではなく、録音済みのファイルを後からテキスト化するスタイルですが、ハンズオンの実機を確認したところ、日本語にも対応していました。

その場で適当に吹き込んだ音声を文字に起こしてみたところ、精度もまずまずといったところ。日本語に対応した文字起こし可能なボイスレコーダーを搭載したスマホはまだまだ少ないため、発売されれば売りの1つになりそうな予感がしました。

▲ 精度もまずまずで、ボタン一発で他の言語に翻訳できるのも便利だった

 AIでは、グーグルとの連携も深めています。Geminiアプリをプリインストールしているほか、「かこって検索」にも対応。

この機能は現状だとPixelやGalaxyの一部でしか利用できませんが、シャオミのスマホにもそれが拡大した形になります。対応しているメーカーはまだまだ少ないだけに、これもシャオミのスマホの売りになりそうです。

▲ Pixel、Galaxy以外で初めてかこって検索に対応した

 これら2機種に加え、フォルダブルスマホのXiaomi MIX Flipもグローバル版を発表しました。

閉じたときのディスプレイサイズは4インチ。カメラを回り込むようにディスプレイが配置されており、なかなかのインパクトがある外観。そのカメラも、メイン、望遠ともに50メガピクセルで、こちらもライカと協業しています。

▲ 縦折りフォルダブルのXiaomi MIX Flipも発表された

▲ 開くと縦長になる

▲ 半開きの状態で撮影することもできる

 ヒンジには、しっかりライカロゴが刻印されており、半開きの状態での撮影も可能。バッテリーは4780mAhで、67Wの急速充電に対応しているなど、スペックもフラッグシップ並みです。

フォルダブルスマホは、どちらかといえばカメラ機能が通常のフラッグシップよりも見劣りするモデルが多いため、Xiaomi MIX Flipのライカコラボは売りになりそう。日本での発売予定は明かされていませんが、登場を期待したいところです。

▲ ヒンジにはライカロゴが

《石野純也》

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