ロシアの謎スマホがスイスで普通に売っていた(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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先日のヨーロッパ出張の際、帰りにスイス・ジュネーブに立ち寄りました。遠地に行く時はなるべく経由地を増やし、その地のスマホ屋巡りをするのがいつもの楽しみです。ジュネーブは街が小さいようで、今回は駅前に1泊しただけであまりお店を回ることは出来ませんでした。

しかし駅前のデパートにはヨーロッパ各国にある家電チェーン店Fnacがあり、スマートフォンコーナーも狭いながらにあったのです。規模的に珍しいものはないだろうと見てみたところ、何やら知らないメーカーの製品を発見しました。

その名はINOI。全く聞いたことがありません。盗難防止のガードががっつりとついているので背面のメーカー名などはわかりにくいのですが、商品案内には「INOI Note 13S」という表示がありました。

いかにもiPhoneそのままの背面デザイン、モデル名に「13」そして「Note」という節操のなさ。このモデルが最上位機種のようで価格は179スイスフラン(約3万1000円)。チップセットはUNISOCのT606なので4Gまでの対応。ディスプレイは6.95インチで1600 x 720ピクセル、メモリ4GB / 8GBにストレージは128GB / 256GB。カメラは1300万画素。ミドルレンジ機です。

もう1つのモデルもやはり背面はiPhoneライク。「INOI A14」だそうでこれはサムスンのGalaxy Aシリーズのモデル名から持ってきていますね。チップセットは不明でオクタコア、ディスプレイサイズも不明、カメラは1300万画素。79スイスフラン、約1万4000円です。

初見のINOIのスマートフォン、スイス以外どこで売っているのかというと、以前はロシアだったそう。しかし現在の情勢の中、ロシアからは撤退したそうです。そのため売り先が無くなりスイスに出すようになった、なんてストーリーもあるのかもしれません。

駅そばのリサイクルショップへ行ったところ、こちらにもINOIのスマートフォンがたくさんありました。

モデル名は「INOI A62」と「INOI A83」。このAシリーズはサムスンに倣ったモデルなので、A62はおそらく一昨年の上位モデル、A83は去年のフラッグシップではないかと思われます。モデル名の数字の1ケタ台が2が2022年、3が2023年、4が2024年モデルということですね。

果たしてスイスでこんな無名メーカーのスマートフォンを買う人がいるのかどうか。ちなみにスイスではタフネスモデルが人気なようで、B2B向けにも製品を出しているCrosscallの端末をここや他でもみました。

さらに中古店にはGalaxy Tab Active 4GやGalaxy Xcover4Sがたくさん。

スイス=山というイメージがありますし、スイスの人たちは日常的にタフなスマホを持って登山に行ったりするんでしょうかね。そしてロシアで売ってたスマホがなぜスイスでも売っているのかは謎のままです。

なお今回の記事をよりよく知るための補足情報や追加写真などを、テクノエッジ アルファ内の「スマホ沼」に投稿しています。

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《山根康宏》
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