このスマホで写真を撮りたい。夢にまで出た「Xiaomi 14T Pro」のバランスが良い(石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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ZTEがフォルダブルスマホの「nubia Flip 2」などを発表、サムスン電子もUnpackedを開催したことからも分かるように、各社とも、2025年早々からフルスロットルで新端末を投入しています。

アップルもApple Intelligenceを投入し、スマホのAI競争が激化しているためか、各社ともそのペースを速めているような印象すら受けます。そんな中、筆者が2025年最初の1台として購入したのは、シャオミの「Xiaomi 14T Pro」でした。

▲記念すべき(?)2025年の1台目として購入したのは、Xiaomi 14T Proだった

Androidのメイン端末に「Galaxy Z Fold6」を使っている筆者ですが、唯一の不満点とも言えるのが、カメラの画質でした。

「iPhone 16 Pro」や「Pixel 9」も持ち歩いているため、そちらで撮れば済む話なのかもしれませんが、Xiaomi 14T Proを触ったときに感動したのが味のある絵作り。1インチセンサーを搭載した「Xiaomi 14 Ultra」ほどではないものの、しっかりライカっぽさが出ていて、独自センサーのお陰かダイナミックレンジも広くグラデーションの表現などもキレイだと感じました。

▲シャオミと言えばやっぱりライカ。絵作りも、ライカの画質に近づけている

画質はもちろん、カメラのUIもしっかり作り込まれていて、撮影が楽しいのも特徴。発表会やその後のレビューなどのために実機を触っていたら、だんだんと「このスマホで写真を撮りたいなぁ」と思うようになってきました。


あまりのほしさに、機種変している夢を見てしまったほど(笑)。もうこれは買うしかないということで、すぐに家電量販店に駆け込みました。

▲ダイナミックレンジの広いセンサーで、光の描写がきれい

▲設定を「Leica Authentic」にすると、より渋い色合いに

ライカの名前を冠したフィルターを多数搭載しているのも、Xiaomi 14T Proの魅力。特に、コントラストがしっかりついて、明暗をきれいに映し出している「Leica BW HC」は、ライカっぽさが全面に出たお勧めのフィルター。ここにライカロゴの入った透かしを入れるだけで、作品のような仕上がりに。よりライカを強く打ち出している点は、同じライカブランドを冠したシャープの端末にはないポイント。どちらかと言えば、ライカ自身のブランドで投入しているLeitz Phoneと共通しています。

▲コントラストが効いたモノクロフィルターもお勧め。だた、料理のような物撮りは、ややピントが当たる範囲が狭すぎる傾向もある

ポートレートモードもいいですね。ほかのスマホだとあまり使わない同機能ですが、Xiaomi 14T Proは、ポートレートモードに切り替えると、倍率ではなく、しっかり35mm判換算の焦点距離を選択できるようになります。デフォルトは、ポートレート向きと言われる60mm。背景のボケ味も自然で、人物を立体的に映し出します。あえて焦点距離で表記するところや、60mmと75mmを小刻みに選択できるところなどからは、ライカのこだわりを反映したことがうかがえます。

▲背景のボケ味がキレイなポートレートモード。年齢的にそろそろ出演してくれなくなりそうな筆者の息子を撮影

▲ポートレートモードに切り替えると、ボタンが倍率ではなく焦点距離になり、レンズを選んでいる感覚で撮り分けることが可能だ

とはいえ、さすがに毎日4台(とiPad Proとデジカメを)持ち歩くのは……と考え、Pixel 9をXiaomi 14T Proに置き換えることにしました。Pixel 9はどちらかと言えば、AI、特にレコーダーの文字起こしに大活躍していた端末。最新のAndroidをいち早く使えるのも魅力ですが、それだけなら常に持ち運ぶ必要はないので、文字起こしを他の端末で代替できれば予備に回すことができます。

最近では、Pixel以外のスマホも徐々にレコーダーの文字起こし機能を搭載し始めていますが、日本語だと精度がイマイチなことも。シャオミも、Xiaomi 14T/14T Proから独自に生成AIへの対応を開始しており、いきなり日本語にも対応しました。その結果、ボイスレコーダーでの文字起こしや、ブラウザ、メモアプリでの要約などの機能を使えるようになっています。

▲ボイスレコーダーが文字起こしに対応。「ええ」などのケバが取れていないものの、内容は比較的正確で使い勝手がいい

これを試してみたところ、なかなかの精度。リアルタイムな文字起こしはできないのが難点ですが、出力結果についてはPixelに匹敵するような印象を受けました。これなら、文字起こし対応のレコーダーとして使っているPixel 9を置き換えることができそう。これも、Xiaomi 14T Proを購入した理由の1つになります。

Xiaomi 14 Ultraもアップデートでこうした機能に対応したものの、サッと取り出して、すぐに録音するという用途だと、より見た目がスマホっぽいXiaomi 14T Proの方が向いているような気がしました。これも含めて、どちらかと言えばXiaomi 14T Proの方がスマホとしてのバランスは取れているような気がしています。

バランスは、価格に関してもです。ハイエンドモデルと言ってもいいスペックと、ライカ印のカメラ画質を備えながらも、オープンマーケット版は10万円台前半。ポイント還元などを加味すると、10万円を下回る価格で手に入ります。筆者が購入したソフトバンク版は、本体価格が12万円強ですが、「新トクするサポート(プレミアム)」を使って1年後に下取りに出せば、実質価格は約4万円まで抑えられます。

▲ソフトバンク版の価格。値上がりしてしまったものの、実質価格は1年で約4万円と安い

事前の抽選キャンペーンで2万円ぶんのPayPayポイントが見事に当たったため、これを加味すると実質価格は約2万円に。コスパのよさがバグっています。電気通信事業法のガイドライン改正によって24年12月26日から実質価格は上がってしまったのは少々残念ですが、その状態でも依然としてコスパが高い端末と言えるでしょう。この価格の安さも、Xiaomi 14 UltraではなくXiaomi 14T Proを購入した理由になります。

ソフトバンクは、このところ、本体価格が10万円強の端末をバラま……ではなく、新トクするサポートとの組み合わせで、手に取りやすい価格にしています。Pixel 9を購入したのも、ソフトバンク。発売初日から毎月の支払いがわずか3円で、1年後の早トクオプションを加味しても実質価格が2万円を下回っていたからです。

8月にPixel 9を購入したばかりで、てっきり機種変更はできないと思い込んでいた筆者ですが、NGだったのはオンラインショップだけ。店頭で確認したところ、数カ月空いていれば2台分の割賦を組めると知り、Xiaomi 14T Proも間髪入れずに新トクするサポート(プレミアム)で購入しました。

▲2024年8月に買ったPixel 9と、1月に買ったXiaomi 14T Proの2台ぶんが割賦になっている。どちらも新トクするサポート(プレミアム)。2台でも、1カ月の支払いは2073円だ

この仕組みだと、1年目の支払いがかなり抑えられる端末が多いため、筆者のように2台購入して使い分けるというのもアリな気がしています。ガイドライン改正によって、「最新ハイエンドモデルが月3円」といったケースが激減してしまったのが残念でなりません。とは言え、1年目がリーズナブルな機種はまだまだ残っています。1年ないしは2年で手放すことが前提にはなりますが、ソフトバンクは2台持ちにも優しいキャリアと言えるかもしれません。

《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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