Google搭載バービーから分離スマホまで、ノキアをやめたHMDのデバイスが個性強め(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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1月にラスベガスで開催されたCES 2025のスタートアップイベントで、HMD Globalは最新モデルの展示を行いました。HMDはノキアブランドのスマートフォンを海外で展開していましたが、2024年以降、NOKIAロゴのついたスマートフォンは出しておらず、自社ブランドで出しています。

ノキアファンとしてはちょっと寂しい気もしますが、フィーチャーフォンは2024年中も引き続きノキアブランドの製品を出していました。2025年になって、フィーチャーフォンもHMDブランドになってしまうのか、ちょっと心配なところです。

HMDは2024年にコラボモデルとしてハイネケンとBodigaから世界一退屈な「The Boring Phone」をリリースしました。こちらはHMDの名は表には出していないものの、3社協業であると公表されています。

また、バービー人形とコラボした「Barbie Phone」はHMDブランドで販売されています。このBarbie Phone、ヨーロッパとアメリカで出ているのですが、CESで展示されていたアメリカ版は機能が高められています。

バービー人形は誰もが知っているでしょう。Barbie Phoneはその世界観をフィーチャーフォンに詰め込んだモデル。ピンク色の専用パッケージの中には、バービー風の着せ替え背面電池カバーが追加で2つ、ストラップとそれに取り付けるチャーム、またステッカーまで入っています。かなり凝った作りですね。

フィーチャーフォンなので機能はそこそこ。メニューを開くとバービー風のピンクのアプリアイコンがブラックの背景に並びます。この辺りまでは、ヨーロッパ版と何も変わりません。

メニューをスクロールすると、アメリカ版はグーグルのアイコンが現れます。フィーチャーフォンなのにグーグルが使えるのでしょうか?

実は、アメリカ版Barbie PhoneはKaiOSを搭載しています。ヨーロッパ版はJavaベースのSeries 30/40系(古くからのノキアのフィーチャーフォンOS)を搭載しているため、これは大きな違いです。KaiOSはアプリストアもあり、YouTubeもダウンロードできます。

なお、日本でJapan Orbicが販売するフィーチャーフォン「Orbic JOURNEY Pro 4G」は、KaiOSで初の日本語対応モデル。Barbie Phoneには日本語は入っていませんでしたが、将来的に日本語が使える可能性もゼロではありません。

アメリカ版Barbie Phoneはカメラも500万画素と、ヨーロッパ版の30万画素より実用的です。価格は2万円程度、通話用や見せびらかし用としてもリーズナブルでしょう。

HMDは、ほかにも自分で分解してバックカバーやバッテリー、内部のカメラやスピーカーモジュールなどを交換して修理できる「Fusion」も展示していました。

さらに144Hz駆動ディスプレイ搭載のミドルハイレンジモデル「Skyline」など、個性的なスマホも展示。

また、イリジウムの衛星回線を使うSOSデバイス「OFFGRID」も投入予定です。1年間約100ユーロのサブスクにより、海上や山間部でいつでもSOS送信やBluetooth接続したスマートフォンからテキストメッセージを送信可能。毎月6ユーロの追加でライブトラッキングも可能になります。HMDとしてもハイエンド不在のスマートフォンと、今後ユーザーが減少していくであろうフィーチャーフォンラインナップだけではビジネス展開が厳しいでしょうから、新たなデバイスの開発を進めているわけです。

※今回の記事をより理解するための補足情報や追加写真を、テクノエッジが運営する有料会員コミュニティ「スマホ沼」(Discord)に投稿しています。

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《山根康宏》

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