マーク・ザッカーバーグ氏が旗を振り、メタバース一点張りで突き進むFacebookの親会社Metaが、今週水曜にも大量解雇に踏み切るとの予測が報道されています。
Wall Street Journal が匿名の関係者から得た情報では、解雇対象は数千人にものぼると予想さており、実行されれば会社始まって以来の大規模削減になるとのこと。Metaが発表した9月時点での従業員数は約8万7000人でした。
ザッカーバーグCEOは10月の決算報告で、2023年には高い優先度を持つひと握りの成長分野に投資を集中させると述べており、その傍らで成長の見込みが薄い分野のチームは、現状維持もしくは縮小させることになるだろうと、やや厳しい見通しを示していました。
新型コロナのパンデミックは世界中の人々に一時的に巣ごもり生活をもたらし、その間の娯楽としてゲームや動画ストリーミングなどIT企業には大きな成長をもたらすことになりました。Metaもその波に乗り、2020年と2021年には2万7000人以上を増員。今年2022年も、9月までに1万5334人の追加雇用を行ってきました。
しかしMetaは最近 TikTokにユーザーを奪われつつあり、さらにアップルが導入した強力なプライバシー保護機能「App Tracking Transparency」によって、収益の大半を広告に依存しているMetaは大きな影響を受けています。
そしてMetaの収益減少に拍車を掛けているのが、冒頭に述べたザッカーバーグ氏によるメタバースへの集中路線。MetaはVRやARで構築される仮想世界をインターネット利用におけるメインストリームにしようと、これまでに150億ドルを投じてきたものの、世間の反応はいまひとつといった状況です。
大量解雇と言えば、ここ数日はイーロン・マスク氏がオーナーになったTwitterが話題ですが、IT企業の括りで言えばライドシェア企業のLyftも先週、従業員の13%を削減することを発表しています。またAmazonは新規雇用を停止するなど、パンデミック時の成長からは予想もしなかった状況になっています。