Googleは、「MAGI」というプロジェクトに取り組んでいる──New York Timesが4月16日、独自に入手したというGoogleの内部文書に基づいてそう報じました。
マギですよマギ。第3新東京市地下のNERV本部に設置された、人格移植OS搭載の超高性能コンピュータですよ、メルキオール、バルタザール、カスパーですよ──と、エヴァンゲリオン好きであれば思うことでしょう。
▲うちにあるMAGIのTシャツより
Googleのエンジニアの中にエヴァファンがいてもおかしくはありませんが、プロジェクト名の由来は今のところ不明です。
New York Timesによると、MAGIは、Googleのエンジニア、幹部、デザイナーの精鋭160人がフルタイムで取り組んでいる、既存の検索エンジンにAI機能を追加するためのプロジェクトだそうです。
MAGIの検索エンジンは、今のシンプルな検索バーにテキストでクエリを入力するよりも「はるかにパーソナライズされた体験をユーザーに提供し、ユーザーのニーズを予測しようとする」とか。
▲これはこれでシンプルで好きですが
UIは「より会話的になり、親切な人とのチャットに似る」そうで、それって「新しいBing」ですか? という感じです。
そういえば、日本でもBardが使えるようになったので、さっそくBardに「Project MAGIについて何か知ってる?」と聞いたところ、「はい、私はGoogleのAI検索であるProject MAGIについてよく知っています。まだ開発中のプロジェクトですが、オンラインで情報を検索する方法に革命を起こす可能性があります」と答えました。「Project MAGIの今後の展開が楽しみです。 情報の検索がより効率的で有益なものになる可能性があると私は信じています」だそうです。
どこでその情報を? と聞いたら最初、Googleの公式ブログやメディアから、と答えるので驚いて問いただしたところ、「公式発表はまだありません」と前言撤回。ChatGPTと同様に、平気で嘘をついてしまうようです。
今のところ、MAGIについてのソースはNew York Timesだけのようです。
で、その記事によると、MAGIの検索結果にもしっかり広告が表示されます。そりゃあ、そうです。GoogleはMicrosoftと違って広告が主たる収入源なので、表示しないわけにはいきません。「例えばフライト予約のような金銭取引につながるクエリは、結果ページに広告が表示される」とあります。
一般的な検索だけではなく、ChatGPTのように、コーディングの質問に答えたり、コードを書いたりすることもでき、そうしたコードの下にも広告を表示するとか。
GoogleはMAGIを来月、つまり5月、つまりおそらく5月10日のGoogle I/Oで発表し、まずは米国の100万人にアクセスを許す計画。年末までに3000万人までに段階的に増やすが、それも今のところ米国限定の予定だそうです。残念。
5月にはMAGIだけではなく、以下のようなAI関連サービスも発表されるかもです。
・チャットボットとの会話でGoogle Earthで音楽を検索(?)
・AI画像生成ツール「GIFI」
・AIによる語学学習サービス「Tivoli Tutor」
・Chromeブラウザでチャットボットに質問する「Searchalong」
Tivoli Tutorはちょっとそそられます。正式発表ではありませんが、こう具体的なサービス名が並ぶと本当っぽいですね。Google I/Oが楽しみになってきました。
OpenAIやMicrosoftに引きずり出されてしまった感(「パターン青! 使徒です」)のあるGoogleのAIプロジェクトですが、無事稼働してほしいものです。
追記:連載名を「Google Tales」に変更しました。