グーグル初の折りたたみ携帯「Pixel Fold」、廉価高性能「Pixel 7a」、スタンドと合体「Pixel Tablet」発表。Foldの価格は25万円

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佐藤由紀子

IT系海外速報を書いたり、翻訳を請け負ったりしています。初めてのスマートフォンはHTC Desire。その後はNexus 5からずっとGoogleさんオリジナルモデルを使っています。

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今年のGoogle I/OはどちらかというとAIがメインという印象でしたが、ハードウェアも複数披露されました。しかもすべて日本でも発売する予定です。

まずは、製品名と日本のGoogle Storeでの販売価格と発売日を。

  • Google Pixel Fold 25万3000円 6月20日予約受付開始 7月中旬出荷

  • Google Tablet 7万9800円 5月11日予約受付開始 6月20日出荷

  • Google 7a 6万2700円 5月11日発売

初の折りたたみ「Pixel Fold」

Googleは、Samsungなどが折りたたみAndroid端末を出し始めた数年前から大画面や折りたたみ端末向けにAndroidを調整していました。そして満を持して披露したのがこのPixel Foldです。

本のように横に開く「ブック型」で、見開き状態の大きい方のディスプレイ(インナーディスプレイ)は7.6インチ(6:5)、本の表紙に当たる小さい方のディスプレイ(フロントディスプレイ)は5.8インチ(17.4:9)です。どちらもリフレッシュレートは120Hz。

インナーディスプレイは動画鑑賞に向いているだけでなく、SamsungのGalaxy Z Fold4など、先行する他の折りたたみ端末と同様に、左右に違うアプリを開いてのマルチタスクも可能です。

閉じた状態だと、厚みはありますが同時に発表されたPixel 7aより少し小さい普通のスマートフォンに見えます。この状態のサイズは高さ139.7mm×幅79.5mm×厚さ12.1mm。7aより3mmちょっと分厚い。広げても幅は16mm以下なので、男性であれば余裕で片手に載せられます。重さは283gと、Galaxy Z Fold4より20gばかり重い。

ヒンジは「多相合金スチール構造」で、丈夫そうです。180度までしか開きませんが、いろんな角度で固定できるので、ノートPCのように卓上に置いて(テーブルトップモード)動画を再生したり、自撮り棒なしでもリモートで写真を撮影したりできます。リモート撮影では、画面に手を上げて合図をすることでシャッターが切れます。天体写真もテーブルトップモードなら撮りやすくなりますね。

▲テーブルトップモード

また、表と裏にディスプレイがあることを生かしたリアルタイム翻訳が、Android 14で可能になります。これなら1つの画面を見知らぬいかついおじさんと顔を寄せ合って覗き込んだりせずに、平和に会話できそうです。

▲リアルタイム翻訳でもデュアルスクリーンが活躍

カメラは、背面カメラとフロントディスプレイのいわゆる前面カメラに加えて、インナーディスプレイにも「インナーカメラ」がついてます。

背面カメラは4800万画素のメイン、1080万画素の超広角、1080万画素の望遠のトリプルで、LDAFセンサー付き。望遠は光学は5倍ですが、AIによるズームで20倍まで可能。Pixelシリーズの特徴であるカメラバーに似ているけど4隅が角丸な凸部に配置されています。

前面カメラは950万画素、インナーカメラは800万画素です。ずいぶんと画素数が低いですよね。でも、自撮りは背面カメラでできるからいいんです。開いた状態で背面カメラを自分に向ければ、フロントディスプレイがファインダー代わりになるので。

前面カメラとインナーカメラは主に動画チャット用なんでしょう。

この他の主な仕様は、以下のようになっています(完全なリストではないです)。

プロセッサ:もちろんGoogle Tensor G2+Titan M2
メモリ/ストレージ:12GB/256GB一択
バッテリー:2821mAh、無線充電対応 駆動時間は24時間以上
認証方式:電源ボタンでの指紋認証と顔認証
素材:Gorilla Glass Victus
防水性能:IPX8
カラバリ:Obsidian(黒)とPorcelain(白)の2色

別売の純正ケースは9900円。

競合は昨年10月発売のGalaxy Z Fold4(新規契約一括払いの価格は24万9700円)だと思います。Pixel Foldの方が3300円高いですが、端末下取りなども活用すれば同じくらいになるかもです。さらに購入で次回以降に使える 5万2000円分のストアクレジットがもらえます。

Pixel C以来のPixelブランドAndroidタブレット「Pixel Tablet」

10.95インチのタブレットです。2015年発売のPixel Cよりかなり洗練されたデザインです。筐体は「ナノセラミックコーティング」でさらっとした感じ。

10インチクラスだと、iPadなら第10世代が10.9インチで近いですが、競合するのはどちらかというとGoogleのNest Hub Maxじゃないかと思います。

▲スマートディスプレイのNest Hub Max

Pixel TabletにはiPadのようなキーボードカバー(別売)は今のところ用意されていません。その代わり、「充電スピーカーホルダー」というドック的なものが同梱されていて、これにのっけた状態だとNest Hub Maxにそっくり。

▲こちらがPixel Tablet

コンセプトも「いつでも、あなたの手の中に、あなたの家の中で役立ちます」となっています。

Googleは久しぶりにオリジナルタブレットを作るにあたって、ユーザーがタブレットどう使っているかを調べたそうです。そうしたらタブレットは家の中で置き忘れられていて、いつの間にかバッテリーが切れていたりすることが分かったんだそうです。

言われてみれば少なくとも私の場合は、家ではPCかスマートフォンにしかほとんど触らず、久しぶりにiPadでマンガを読もうと思ったらバッテリー切れてた、ということがあります。

スピーカーホルダーがあればタブレットに家の中の定位置ができるので「どこいった」問題は減るし、常に充電しているので使いたいときにバッテリー切れ、という問題もなくなりそうです。

ホルダーにはマグネットでパチっと設置できるので、Pixel Standのように置き方がずれて充電しそこなうということもなさそうです。

▲ホルダーにパチっと設置

で、せっかくなのでこのホルダーに43.5mmフルレンジスピーカーを搭載し、Pixel Tabletを載せると再生中の音楽や動画の音をここから出すようにしました。

もちろんPixel Tablet本体にもスピーカーが4基搭載されていて、それなりな音のようですが、ホルダーのスピーカーだと低音がぐっとよくなるそうです(Googleによると「4倍の低音」)。
スピーカーホルダーにかちっとのっけた状態をGoogleは「ハブモード」と呼んでいて、このモードにするとまさにNest Hub Max化してスマートホーム機能が使えるようになります。スマート家電の操作もできるし、Nestシリーズのうりの1つであるデジタルフォトフレームにもなるし、スマートフォンからコンテンツをキャストすることもできます。

つまり、タブレットというよりNest Hub Maxの画面部分が脱着可能になったもの、という感じです。

スピーカーホルダーは同梱されますが、1万7800円で別売もしているので、寝室とダイニングに1つずつ置いておくこともできます。

周辺機器は今のところ1万2800円のケース(ケースを付けたままホルダーに設置できます)だけですが、サードパーティ製のスタイラスや外付けキーボードは使えるそうなので、もちろん家の外でも活用できるでしょう

▲純正ケース

主な仕様

ディスプレイ:10.95インチ液晶(16:10、2560×1600ピクセル)
サイズと重量:幅258×高さ169×奥行き8.1mm、493g
バッテリー:27Whで動画ストリーミングは最大12時間、USB Type-Cでの充電の他、無線充電対応
メモリとストレージ:8GB、128/256GB
プロセッサ:Google Tensor G2+Titan M2
背面カメラ:800万画素
前面カメラ:800万画素
認証方式:電源ボタンによる指紋認証
カラー:Porcelain(白)とHazel(グレー)の2色

もう発売している「Pixel 7a」

これを書いている5月11日、Pixel 7aは既にGoogle Storeで販売中です。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクからも発売されます。

Pixelスマートフォンの「a」シリーズは、前年の10月に発売されたメインモデルの廉価版という位置づけ(のはず)。Googleの表現では「Googleの便利な機能をお求めやすい価格で提供する」シリーズです。

でも、Pixel 7aはかなりのハイスペックです。プロセッサはハイエンドのGoogle Tensor G2だし、カメラ構成はPixel 7より上なくらいです。

Pixel 7aについては「Google特別対策室」に書いたので、そちらも見ていただけると嬉しいです。


主な仕様

ディスプレイ:6.1インチ(20:9、1080×2400ピクセル)
サイズと重量:高さ152×幅72.9×奥行き9mm、193.5g
バッテリー:4285mAh 駆動時間は24時間以上、USB Type-Cでの充電の他、無線充電対応
メモリとストレージ:8GB、128GB
プロセッサ:Google Tensor G2+Titan M2
背面カメラ:6400万画素の広角+1300万画素の超広角
前面カメラ:1300万画素
認証方式:ディスプレイ内指紋認証+顔認証
防水レベル:IP67
カラー:Charcoal(濃いグレイ)、Sea(水色)、Snow(白)、Coral(オレンジっぽい赤)

別売の純正ケースは4900円。既にサードパーティのケースもいくつか用意されています。

Google Storeでは下取りなどのキャンペーンもありますので、要チェックです。

《佐藤由紀子》

佐藤由紀子

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