「日本でも日常の一部に」3/22グランドオープン Xiaomi Storeの歩みを振り返る(スマホ沼)

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山根康宏

山根康宏

香港在住携帯研究家

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2025年3月18日、日本初のXiaomi Storeが埼玉県の浦和美園のイオンモール内にプレオープンしました。

3月22日のグランドオープンには私は1日店長としてお店に常駐しております。ぜひ皆さまご来店ください(注:バックヤードにモノを置けないので差し入れは無しでお願いします。何か製品を、ご購入いただけますと幸いです)。

スマートフォンからIoTデバイス、家電までスマートライフを支援する製品をそろえているXiaomi Storeですが、シャオミがスマートフォン事業をはじめたころからこのような店舗を展開していたわけではありません。

そもそもシャオミのスマートフォンは当初はオンライン限定販売。しかも飢餓マーケティング的な煽りがすごく「X月X日にXXXX台発売」のように希少な製品として注目を集めさせてきました。実際にシャオミのスマートフォンはコスパが非常に高く、そのようなマーケティン手法を取らなくとも十分売れたのですが、シャオミはそれをやることで一気に中国国内のみならず海外からも注目度を高めることに成功したわけです。

しかし、オンラインで製品を販売しても、カスタマーサポートは対面で行う必要があります。そのため実店舗として「小米之家」を中国国内で展開、これがXiaomi Storeの成り立ちです。サポートが主業務ですから、立地はビルの2階以上、とはいえ駅チカでありユーザーが簡単に立ち寄れる、かつ家賃の安い場所を選んで出店していったのでした。

私も2015年ころに北京の小米之家を訪れましたが、雑居ビルの入り口には「MI」のロゴも無く、高層階にエレベーターで昇り細い通路の先にあるドアを開けると店内にシャオミのスマートフォンが展示されている、という感じでした。当時は家電などはなく、Xiaomi、Redmi、タブレットのみのラインナップ。それでもオンラインでしか見れない製品を実際に手にできる所として貴重な場所でした。

2016年3月には上海の小米之家を訪問。場所はこんなところ。このビルの上層階にお店があるとは全く分からないでしょう。

この時は最新モデルの「Mi 5」を触ってみたかったことと、手持ちの「Mi 4」にWindows 10 MobileのROMを焼いてもらうために行ってきました。マイクロソフトがモバイルに力を入れ始めていたころ、そんな協業もあったんですね。ちなみにカスタマーサポートのスタッフはとても丁寧、英語ができるスタッフもちらほらといました。ROM焼きも10分程度と爆速で仕上がったことに感動したことを覚えています。

このようにひっそりとした店展開していた小米之家が今のように明るい雰囲気でショッピングモールの一等地に開業するになったのは2017年ころから。2011年にスマートフォン市場に参入後、毎年倍増ベースで販売数を伸ばしていったものの、どのメーカーもぶつかる成長の壁にぶちあたったのが2015年。当時のシャオミのスマートフォンはデザイン面での差別化に悩み、性能はいいものの外観は特徴の無いものになってしまいました。また低価格なRedmiが売れるものの他社からも類似製品が多く登場し、価格に敏感な層はシャオミというブランドをあえて選ぶ理由が無くなりました。

スマートフォン以外の製品の展開も進めていったシャオミですが、家電製品は実際の使い勝手も試したいもの。そこでショールーム的に販売製品を並べて来客が自由に試せるようにと、家賃が高くともショッピングモールの一等地に積極的に店舗を展開。それが全世界1万5000店舗を超えるXiaomi Storeの展開へとつながっていったわけです。

さて、改めてイオンモール浦和美園のXiaomi Storeを見てみると、最初に訪問した瞬間は「ついに日本にもシャオミストアができた!」という感動がありました。ところが店内を回ったあとに近所のコメダ珈琲で一服後(イオンモールは飲食店が多いのが良いですね)、再びXiaomi Storeを見てみると、まるで何年も前からそこにあったような感覚を覚えました。外観は海外のXiaomi Storeと変わりませんし、展示しているアイテムも最新スマートフォンがあるなど、海外と同等だからです。

「いつでもシャオミ製品を見ることができる」お店が日本に誕生したのはうれしいことですが、これは始まりにすぎません。数年もすれば日本各地に同じような店舗が広がっているわけです。「買い物ついでにXiaomi Storeに立ち寄って、家電をチェックしながらモバイルバッテリーを買っていく」。日常生活にXiaomi Storeが入り込んでくる、それが日本でも当たり前のものになろうとしているのです。

《山根康宏》

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