Metaは、今週コミュニティフォーラムのPublic Test Channelに公開したHorizon Home v57アップデートで、これまで上半身しかなかったVRアバターに足を生やしました。
Metaはマーク・ザッカーバーグCEOの意向でメタバース戦略を推し進めて来ましたが、肝心のVR空間におけるユーザーのアバターになぜか足がありませんでした。
このことに関してMetaは、「自分のアバターに本当の自分の足の動きや位置と一致しない足が見えると、大きな違和感を感じる」ことを理由として挙げていました。
たしかに、多くのVRアプリやVRゲームの多くでは、ユーザーのアバターに足が表示されます。しかし、現在のVRハードウェアの多くには足の動きを追跡する機能がなく、仮想の足の動きは実際の足の動きとは正確には一致しません。
また、座る動作と立ち上がる動作の過渡的な状態を上手く処理するのが難しく、スティック操作による移動の際の足の動きも自然さに欠けるものが多いように思われます。
しかしMetaのVRアバターを見た人々からは、やはり足がないのは不自然であり、リアリティや没入感を損なうといった感想が聞かれ、Metaは昨年9月に、他者からは自然に見えるものの自分自身からは見えない足の実装を検討するとしていました。
そして、11か月が過ぎた今月、MetaはHorizon Worldsではなく、まずはHorizon Homeのアバターに対して、足を付け始めたようです。
X(Twitter)ユーザーBrad Lynch氏の投稿によると、VR空間内の鏡に映る自分のアバターには確かに足を見ることができます。ただ、視線を下に下げるとそこにはなにもなく、Metaが述べていたとおりの、外観だけの足であることがわかります。またしゃがみ状態や座った姿勢は、やはり認識されない模様です。
なおユーザーの報告からは、まだHorizon WorldsのほうではVRアバターに足はない模様です。ただ、モバイル版及びウェブ版のHorizon Worldsのベータ版では、先月の時点で足が存在していると伝えられていました。
ザッカーバーグCEOは以前、ヘッドセットのカメラで足を追跡するのは難しいため、足の動きにはAIモデルを使用する必要があると述べていました。
今回Horizon Homeで表示されるようになった足の動きが、AIによる動きを採用しているのかは不明ですが、足の実装に時間がかかったことについてはやはり技術的なハードルの高さがあったのかもしれません。
とりあえずHorizon Homeだけとはいえ、上半身しかないアバターに比べれば、外観上の不自然さは大きく軽減されたと言えるでしょう。