このところUdioやSonautoの新機能搭載で押され気味だったAI作曲サービスの「Suno」が反撃に出ました。
バージョン3.5のEarly Access版(有料プランユーザーのみに提供)を利用すると、これまでの2分間制限が最長4分まで拡大。延長時間も従来の1分を2分に伸ばしています。これだけの長さがあれば大抵のポピュラー曲はエンディングまでいけます。
4分の曲をUdioで生成しようとすると、8回の命令が必要になります。さらに、生成に要する時間はUdioの方がはるかに長くかかるので、全体としての作業時間には大きな差が生じます。それがSuno 3.5ならば数秒でできてしまうのです。
また、Style of Musicのキーワードがサジェストされるようになっていて便利です。文字数制限は相変わらずきついですけど。
さらにうれしいのは、日本語歌詞の読み方が、従来は間違いが多かったのが、ほぼ問題なく発音してくれるようになったこと。これで、歌詞を与えればほぼ無修正で完成曲が数秒で出来上がってしまうことになります。
日本語曲に関しては、Udioの不調が続いているので、Suno以外の選択肢は考えにくくなっています。
曲構造の解釈も改善されているようなので、全体としての完成度はかなり向上しています。ガチャの回数がかなり減らせそうです。
どのレベルの楽曲かを確認してもらうために、ChatGPT 4oで生成した同じ歌詞で連続して作った曲を10個繋げてきました。どれもちゃんとエンディングまで行っているのがわかると思います。
もう1パターン作ってみました。こちらは、ChatGPT、Claude 3 Opus、Sunoの内蔵歌詞ランダマイズ機能を使って作ったブルースを12曲詰め合わせたもの。かなり完成度が高いのがわかると思います。
これらの機能は来週になれば無料ユーザーにも提供される予定。
有料ユーザーには16bit 48kHzのWAV保存を提供
有料ユーザーは、楽曲のWAVフォーマットでのダウンロードも可能。16bit 48kHzの高音質で保存できるので、これをステム分離するなどしてリミックスすることもできます。Logic Pro 11のStem Splitterとの相性バッチリです。
Sunoのバージョン3が有料ユーザー向けに提供開始されたのは2月末。そこから3カ月で3.5の登場となりました。
Sunoはバージョン4も開発中と言明しており、さらなる新機能も期待できそうです。
追記:公式Xアカウントが新機能を予告していました。水遣りのジョウロを叩いているサウンドを入力し、そこに「in the style of heavy psych rock」とプロンプトを入れると歪んだギターリフが入ったボーカル楽曲に変わっています。
オーディオ入力からサウンドをAI合成する機能は、Stable Audio、Sonautoが出していますが、それとも一味違ってそうな感じです。Suno 4.0に入るのでしょうか。でも「Coming soon」ですし、もっと早いのかも。